香林居で出会う金沢の香り 薬草に惹かれる旅人
金沢・香林坊のブティックホテル、香林居で体験するのは、泊まること以上の深い感覚の旅。館内で蒸溜された精油や芳香蒸溜水が肌を包み、白山の森、薬草の記憶、金沢の美意識が身体の内側へ届いていく。
名峰白山の森林素材を蒸溜所で抽出。
視覚で、肌で、文化と自然が私の中に取り込まれていく場所

金沢・香林坊。その名は比叡(ひえい)の僧が還俗し、自らの名を地に残したことに由来するという。
その余韻を受け、ブティックホテル「香林居(こうりんきょ)」が佇(たたず)む。館内で蒸溜された精油や水はロウリュの蒸気となり、肌の奥へと沁(し)みわたる。


蒸溜所で精製されたての芳香蒸溜水ロウリュは唯一無二。

サウナは予約制でプライベートな空間を堪能できる。サウナ付きの客室も。

国内でも珍しい「アイソレーションタンク」、隔絶された空間と浮遊する感覚がこれまでにない不思議体験。海水の5倍の浮力があるといわれている高濃度のエプソムソルト(硫酸マグネシウム)の水溶液に浮かび、無重力に近い浮遊感に体をゆだねる。建仁寺両足院副住職・伊藤東凌氏のナレーションにしたがい瞑想を行うことができる。

かつて目薬も蒸溜器でつくられ、草木と水の力が人を癒やしたという──その連なりを、サウナ室でそっと目を閉じて瞑想する。薬草に惹かれる私にとって、「蒸溜」は時を超える言葉。香りは見えない文化で、空間に編み込まれる。
九谷焼や知識人たちの著作が息づく空間に身を置くとき、金沢の知と美が五感へとひらかれる。慌ただしい喧騒から、心の深部までトリップすることが今、何よりの贅沢ではないか。

香林居
076-209-7766
https://www.korinkyo.com/
Instagram @korinkyo_kanazawa
サウナ(セルフロウリュ) 露天風呂 水風呂 アイソレーションタンク ホテル
案内人・笹野美紀恵
実家は、“サウナの聖地”として知られる静岡「サウナしきじ」。ホテルの温浴施設をプロデュースするほか、医療機関とオリジナルの薬草入浴剤を共同開発するなど、未病予防にサウナを活用する取り組みも行っている。
撮影 金子斗夢
取材・編集 中野桜子
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