【東京博物館】日本文化を一日で 訪れるたび楽しめる新しい作品との出会い
パリに行ったらルーヴルへ 東京に来たらトーハクへ!
多様化や国際化が当たり前の昨今、国際社会で私たちに求められるのは個人のルーツをきちんと語れること。海外に行くとその国の文化を知るために美術館や博物館に足を運ぶのでは?
東京には東京国立博物館(トーハク)がある。日本が世界に誇る博物館で日本の文化を深く知り、語りたい。
東京国立博物館
本館(日本ギャラリー)
2階は日本美術の流れをたどる時代別展示、1階は彫刻、陶磁、刀剣などの分野別展示や企画展示で構成。コンクリート建築に瓦葺きの勾配屋根をのせた「帝冠様式」の代表的建築として平成13年(2001年)、重要文化財に指定。
所蔵品は約12万件 展示替えはなんと年間約300回
東京国立博物館の開館は明治5年(1872年)、この日本で最も歴史の長い博物館はトーハクの愛称で親しまれている。
日本を中心に広くアジア諸地域にわたる約12万件に及ぶ有形文化財を収蔵、それらの魅力を世界に向けて発信するとともに、日本の伝統と文化を守り継承する使命も担っている。また、世界中から訪れるゲストたちに日本文化を体験し、理解してもらう、いわば日本文化の玄関口としての役割も果たしているのである。
一日で日本文化を俯瞰できる「総合文化展」がすごい!
その、充実したコレクション内容の素晴らしさは言わずもがなだが、トーハクの魅力を語る上で欠かせないのが「総合文化展」だ。日本と東洋の考古、美術、工芸、歴史資料など、さまざまな分野の文化財を5つの展示館で展示。保存上の理由から長期の展示がかなわないということもあり、4週間から8週間ごと、なんと年間約300回にも及ぶ展示替えを行うことで、より多くの文化財を公開しているのである。その総数は常時約3000件。
つまり、来館するたびに、毎回違う作品との出会いやさまざまな発見が待っているというわけだ。その点で「総合文化展」は、いわゆる常設展とは大きく異なる。お花見の時期には桜をモチーフにした作品など、季節に合わせた作品を楽しむことができるのだから。
新年には新春特別公開や干支にまつわる展示品がずらり
新年は1月2日から開館し、トーハクが誇る名品の新春特別公開、干支にまつわる作品や吉祥をテーマにした作品が展示されるほか、2日と3日には和太鼓や獅子舞などのイベントも開催される。2024年は、博物館に初もうで、というのはどうだろう。
[国宝]松林図屏風(しょうりんずびょうぶ)
風と光の情景を見事に描いた日本水墨画の最高峰
長谷川等伯筆安土桃山時代・16世紀
【2024年1月2日(火)~1月14日(日)本館2室にて展示】
袱紗紺繻子地鯛模様(ふくさこんしゅすじたいもよう)
鯛を向かい合わせにしためでたいユーモラスな意匠
江戸時代・18~19世紀
アンリー夫人寄贈
【2024年1月2日(火)~3月3日(日)本館10室にて展示】
[重要文化財]色絵月梅図茶壺(いろえげつばいずちゃつぼ)
立体の魅力を生かした月梅図仁清の色絵茶壺の代表作
仁清、「仁清」印江戸時代・17世紀
【2024年1月2日(火)~3月10日(日)本館13室にて展示】
打掛紅綸子地松竹梅鶴亀模様(うちかけべにりんずじしょうちくばいつるかめもよう)
金糸や絹糸であらわした松竹梅に鶴亀の吉祥模様
江戸~明治時代・19世紀
古屋圭司氏・谷口八季氏・古屋英司氏寄贈
【2024年1月2日(火)~3月3日(日)本館10室にて展示】
[重要文化財]十二神将立像「辰神」(じゅうにしんしょうりゅうぞう「しんしん」)
十二支とも結びつき広く信仰された十二神将優れた写実表現で満ちる躍動感に感動京都・浄瑠璃寺伝来鎌倉時代・13世紀
【2024年1月2日(火)~1月28日(日)本館特別1室にて展示】
総合文化展の展示館はほかにも
● 平成館(考古展示室)
● 東洋館(アジアギャラリー)
● 法隆寺宝物館
● 黒田記念館
総合文化展の展示館は「本館」のほかに4つ。土偶や銅鐸、埴輪などの考古遺物で石器時代から近代までの日本の歴史をたどる「平成館」の考古展示室。アジア諸国の美術と工芸、考古遺物を堪能できる「東洋館」のアジアギャラリー。金銅仏、仏画、経典、仏具といった法隆寺献納宝物を展示する「法隆寺宝物館」。「黒田記念館」では洋画家の巨匠・黒田清輝の作品を展示。
東京国立博物館
住所 東京都台東区上野公園13-9
開館時間 9:30~17:00 ※毎週金・土曜 : 9:30~ 19:00 (入館は閉館の30分前まで)※特別展の開館時間は、同館ウェブサイトにてご確認ください。
観覧料 一般1,000円、大学生500円 ※特別展は別料金
休館日 月曜日(月曜日が祝休日の場合は開館、翌平日休館)
お問合せ 050-5541-8600 (ハローダイヤル)