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東京国立博物館の庭園探訪 日本文化の美と歴史の融合

東京国立博物館の庭園探訪 日本文化の美と歴史の融合

CULTURE MUSEUM

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パリに行ったらルーヴルへ 東京に来たらトーハクへ!

多様化や国際化が当たり前の昨今、国際社会で私たちに求められるのは個人のルーツをきちんと語れること。海外に行くとその国の文化を知るために美術館や博物館に足を運ぶのでは?

東京には東京国立博物館(トーハク)がある。日本が世界に誇る博物館で日本の文化を深く知り、語りたい。

東京国立博物館

本館(日本ギャラリー)

2階は日本美術の流れをたどる時代別展示、1階は彫刻、陶磁、刀剣などの分野別展示や企画展示で構成。コンクリート建築に瓦葺きの勾配屋根をのせた「帝冠様式」の代表的建築として平成13年(2001年)、重要文化財に指定。

庭園散策では5棟の茶室、記念碑や塔などを巡る楽しさも

【転合庵】小堀遠州が桂宮智仁親王より賜った茶入「於大名」披露のため京都伏見に建築。

トーハクの魅力は充実したコレクション内容の素晴らしさだけではない。もとは寛永寺の境内だったこともあり本館北側には美しい庭園が広がる。トーハクの創設当初にあった動植物の研究部門「天産部」の名残で珍しい樹木や野草が植えられているのも特徴。5つの茶室、数々の石碑や灯籠なども点在する庭園は通年開放されている。豊かな自然を満喫しながら、多くの発見もある散策コースだ。

また、重要文化財に指定された多様な建築様式の建物を見学する楽しみもある。内部に施された繊細な装飾も見応えのある帝冠様式の本館、明治時代を代表する洋風建築の表慶館、正面に向かって左側にある黒門、旧十輪院宝蔵など、散策しながら日本の歴史を垣間見ることができるテーマパークでもあるのだ。

【応挙館】もとは明眼院(名古屋市郊外)の書院。円山応挙が眼病で滞留中に描いた障壁画も見事
【六窓庵】奈良の興福寺慈眼院に建てられ、「大和の三茶室」といわれた茶室のひとつ。入母屋造り、茅葺き。

重要文化財に指定された建物の多様な建築様式

内部の装飾も要注目。アール・デコ調の照明、宝相華模様の壁面タイルが美しい1階ラウンジ。

【本館】 1938年開館。建築家・渡辺仁の設計案をもとに宮内省内匠寮が施工。「帝冠様式」の代表建築とされる。
装飾やディテールに注目しながらの館内散策にもまた違う楽しみが
【表慶館】1909年開館。建築家・片山東熊の設計。建築の魅力あふれる洋風建築。外壁上部のレリーフにもご注目を。
【旧因州池田屋敷表門(黒門)】 鳥取藩池田家江戸上屋敷の旧正門。左右に唐破風(からはふ)のある番所を備えた格式の高い門。1954年移築。
【旧十輪院宝蔵(校倉)】 奈良の十輪院より移築。鎌倉時代の建築で、腰壁各面に十六善神像を線刻した石がはめられている。現在は法隆寺宝物館の脇にある。

トーハクならではの贅沢なお花見!博物館でお花見を

春の恒例企画が今年も開催!本館では、桜をモチーフにしたさまざまな日本美術の名品を展示。ソメイヨシノ、エドヒガンザクラなど約10種類の桜が次々と開花する庭園では春を感じながらの散策が楽しめる。スペシャルバージョンのガイドツアー、スライドトークはじめ各種イベントも開催。
3月12日(火)~4月7日(日)

振袖 染分縮緬地枝垂桜菊短冊模様(ふりそで そめわけちりめんじしだれざくらきくたんざくもよう)
枝垂桜が肩にかかる模様を友禅染で表し、上下にわけるスタイルは江戸時代中期から後期にかけて流行した。
江戸時代・18世紀
展示期間 3月12日(火)〜 4月21日(日)
本館10室

東京国立博物館

住所 東京都台東区上野公園13-9

開館時間 9:30~17:00 ※毎週金・土曜 : 9:30~ 19:00 (入館は閉館の30分前まで)※特別展の開館時間は、同館ウェブサイトにてご確認ください。

観覧料 一般1,000円、大学生500円 ※特別展は別料金

休館日 月曜日(月曜日が祝休日の場合は開館、翌平日休館)

お問合せ 050-5541-8600 (ハローダイヤル)

取材・編集 斉藤素子