なぜシンガポールに世界の料理が集まるのか~民族と食が解け合う都市vol.3
東京都とほぼ同じ面積に多民族が暮らし、多様な食文化が存在するシンガポール。マレーシア半島の最南端のこの国の食文化を代表するホーカーは、世界各国の料理を楽しめる場所として、地元の人にはもちろん観光客に大人気だ。
なぜこのようなホーカーができたのだろう。それは移民たちが自宅で簡単に料理を提供する形態だったものが、それぞれの特色を生かした屋台へと発展。衛生管理、および都市計画の観点から、政府が多くの屋台を一箇所に集めたのが始まりだ。シンガポールにあるホーカーの数はなんと100を優に超えるのだそうだ。
中華系、マレーシア系、インド系などさまざまな種類の料理が手頃な値段で食べられるホーカーは世界を見回してもあまりなく、シンガポール独自の文化である。
シンガポールを旅する際には、「ホーカー」にぜひ立ち寄って、この国独特の文化を肌で感じよう。
写真・清水健 取材・山下マヌー 文・高田真莉絵