西海岸の食文化を手軽に体験〜カリフォルニアフードトラックドリーム vol.2
近年日本でも増えているフードトラック(日本ではキッチンカーと呼ばれることが多い)。しかしながらアメリカのフードトラックと日本のそれとでは、その役割や立ち位置が大きく異なる。アメリカ西海岸においては、手頃な価格で地元の新鮮な食材を使った食事が提供され、州の食文化において重要な役割を果たしている。
一方日本のキッチンカーは、主にイベント会場で参加者の胃袋を満たすために出店しているケースがほとんど。また、経済貢献度も桁違い。とくにカリフォルニアのフードトラック業界は急速に成長。2010年には約2,000台だったものが、コロナ前の2020年には約5倍、10,000台を超える数にまで増加。この成長を支えているのは、単にフードトラックの人気が高まっているだけでなく、フードトラックに対して規制をかけていた州政府が、その存在を容認。規制を緩めていったことも一因とされる。
またカリフォルニアのフードトラックは、州の経済にも貢献。いまや約20億ドル以上の収益を上げ、10万人近くもの雇用を創出しているといわれている。
そこまでの規模となれば、当然州の観光にも貢献するようになる。カリフォルニアを訪れる観光客は、町のあちこちでフードトラックと遭遇することができ、そこでは農業の盛んなカリフォルニア州の新鮮な食材を使った中華料理、日本料理、韓国料理、メキシコ料理、イタリア料理、アメリカ料理など多様な人種が集まっているカリフォルニア州らしい、さまざま文化を手頃な価格で気取らずに体験することができるのだ。
写真・取材・文:山下マヌー