高品質な料理を低価格で〜カリフォルニアフードトラックドリーム vol.4
フードトラックの料理と聞いて、「本格的」だとか「美味しい」というイメージを持つ人は少ないかもしれない。だがそれは大いなる誤解。今やフードトラックは美味しい料理を提供するお手軽な移動式の“レストラン”ともいえる。
その証拠に少なくない数のフードトラックが常設のレストランよりも上の評価をされている。たとえば、こちら。ポートランドのパイオニア・スクエアに出店している「FRIED EGG」。
ポートランドで最高の朝食に輝いたフードトラック。
10年以上前から営業をしているという、そこらの店より歴史と伝統さえある。もちろん昔から容器は全てリサイクル(これはポートランドの決まりでもある)だし、もちろんローカルの生産者と繋がり、ローカルの食材を使うように心がけている。
因みにメニューは「YOLKO ONO」「EGG ZEPPELIN」など、ミュージシャンやバンド名に引っ掛けたネーミングが多いことから、きっとオーナーは70年代の最後のヒッピー世代?
同じくポートランドのフードコート“WHOLE BOWL”は、”Best Lunch Cart in Portland”の受賞歴あり。「最初の一台目は23年前にダウンタウンで営業を開始した、おそらくポートランドで一番古いフードトラック」。メニューも23年前(つまりビーガンとかベジタリアンが流行るずっと以前)から、カリフォルニア産の野菜を使ったベジタリアンディッシュのみ。現在はポートランドで9台のトラックがそれぞれの場所で出店している。
ところで「全米で最もフードコート料理が美味しい都市」としてCNNに選ばれたことのあるポートランドだが、そのきっかけとなったのが市のフードカートに対する規制だといわれている。10数年前、増加するカートを町から排除するため、市はフードカートポッドとして一箇所に集めたのだ。
それにより一箇所で様々な料理が楽しめるようになったのと同時に、それぞれのトラックが味と値段を競い合うことで発展してきたからだと推測されている。
写真・取材・文:山下マヌー