仁淀ブルーに癒やされて 土佐の海で知る高知の本当の贅沢
安居渓谷の澄んだ水に身を預けるクリスタルカヤック。穏やかな浦ノ内湾に浮かぶ、海上レストランの非日常。景色は違っても、そこに流れているのは同じ高知の風土だ。川とともに遊び、海とともに生きる。その間で磨かれてきた職人の手仕事と料理人の感性が、この土地でしか味わえない一皿をつくっている。
海と川に、ごちそうさま
黒潮の海と、山あいを流れる清流。その風土の中で人が手を動かしてきた。海へ出て、川と暮らす……道具や食材作りに向き合う職人や作り手、そして土地の恵みを皿に映す料理人。自然の贈り物は、誰かの手を渡りながら、この土地ならではのかたちへと変わっていく。豪快であり、どこか繊細。実直で、あたたかい。そんな土佐人の気質は、海と川の風景の中で育まれてきた。高知に息づく、人と自然の物語へ。

仁淀川アウトドアセンター
海の上に浮かぶ家。昭和から愛される大人の隠れ家
「高知の台所」と呼ばれる須崎(すざき)市。須崎漁港には、高知を代表する鮮魚が揚がる。穏やかな入江である浦ノ内湾を横目に車を走らせていると、海に家が浮かぶ光景に思わず目を疑った。
実はこれ、「船」として建築された海上レストラン。キャプテンは徳弘誠さん。非日常的な光景だが、昭和時代から50年余り、この湾には最盛期で6軒もの海上レストランが浮かんでいたという。土佐の先人は「竜宮城」で酒を飲み交わしたことだろう。
しかし時代の流れとともに姿を消し、残ったのは「浮橋」のみ。店主の高齢化で一度幕を閉じたが、徳弘さんが再起させ、歴史は守られたのだ。

中に設えた生簀(いけす)から提供される伊勢海老に長太郎貝。目の前は360度の海。生まれて初めての体験と本物の味が、体に刻み込まれる。県内外、海外からも客が絶えない。




肉と猪ソーセージ。なんと猪が海を泳いで渡るという。「獣害対策で処分される猪をなんとか活用できないか」と血抜き2時間以内に食用として加工・販売するのは近所にある「ジビエ浦ノ内企業組合」。
海の上食堂 浮橋
撮影 Bourbon
取材・文・編集 中野桜子
<高知への翼>
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