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土佐打刃物と四万十ヒノキが台所に届くまで 高知に根付く鍛冶屋の文化

土佐打刃物と四万十ヒノキが台所に届くまで 高知に根付く鍛冶屋の文化

TRAVEL 2026.05 高知特集

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高知では、山の手入れがそのまま暮らしの質につながっている。鍛冶屋が山仕事の刃物を打ち、四万十川流域のヒノキがまな板となり、清流が土地の文化を支える。森を健康にすることは、川を守り、台所を支え、土地の未来を守ることでもある。土佐の手仕事は、その循環を静かに物語っている。

森を守り、川を守る。土佐の文化は、山から川を下りて台所に届く

カンカンカンカン……山里深い一軒から鉱物を打ち付ける音が小気味よく鳴り響く。高知には古くから鍛冶屋の文化が根づいている。

林業が盛んな土佐で、山仕事に欠かせない鉈(なた)や鎌を造る鍛冶職人が各地に生まれ、やがて鋼を叩いて鍛える「土佐打刃物」の技が育まれた。

「迫田刃物」は400年の土佐打刃物の伝統技法を受け継ぎ、初代・迫田春義氏が昭和48年に創業。昔ながらの鍛造技法に勤しみ、片刃、両刃、すべて自家鍛造を行う。

また、二代目・剛さんは包丁が優れていても砥(と)ぎが不充分では本当によい刃物として継続しないとし、日本有数の鍛冶師・砥ぎ師たちに師事。「砥ぎ」の完成度を希求し、砥石の使い方、手入れを広めることに努める。迫田刃物の製品は永久保証だ。

軽く鋭く実用本位の刃物、そして四万十ヒノキの上質なまな板は、いま世界の料理人の手仕事を支え、高く評価される。

迫田(さこだ)刃物

高知県須崎市神田781
0889-43-1907
https://sakodahamono.com/

一枚板のまな板は、樹齢を重ねた太い丸太から採取される上等品。使えばその心地に感動する。

その刃を受け止めるのがまな板。清流・四万十(しまんと)川の流域に育つヒノキは、水に強く刃当たりが柔らかい。

「土佐龍(とさりゅう)」では、植林された樹齢70〜80年の四万十ヒノキを間伐や除伐する。手入れをすることは、森を健康にし守ること。つまり、生き物の生態系を守り、地球温暖化を防ぎ、保水力を高めて山崩れなどの災害から守ることに繋がる。

山に降る雨は川となり、森を育て、木がまたまな板となる。川から始まる道具文化は、土佐が世界に誇る知恵と文化だ。

製材所で製材された木材は十分な時間をかけてゆっくりと天然乾燥されたあと、人工乾燥を施す。

【上】通常は破棄される葉っぱも集め、精油(エッセンシャルオイル)として抽出する研究が進められている。

また、ヒノキ風呂を楽しめる入浴剤も人気。

土佐龍

高知県須崎市浦ノ内2830
0889-49-0111
tosaryu.com

仁淀川は水質が日本一で、その川の色は神秘的な青色に見える。「仁淀ブルー」と呼ばれ、いくつかの人気スポットが存在する。ここ「にこ淵(ぶち)」は、もともと水神様である大蛇が棲む場所として地元住民は立ち入らなかったが、現在は人気スポットに。

撮影 Bourbon 
取材・文・編集 中野桜子

<高知への翼>
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