800年湧き続ける温泉目指して登山電車で雲の上へ 長野の本格フィンランド式サウナ

「ピリリリリリリ」……登山電車に揺られ雲の上へ。湯気を求める心は、まるで異国へ、異次元へとスリップする。車窓の絵は、眩(まぶし)いほどの紅葉、白銀の世界、新緑と一年中うつろう。
標高1050m。扉を開ければキンと冷える空気のなか、800年湧き続ける湯が、もくもくと空と一体になり迎えてくれる。何百年時代が進んでも、人が本能で求める条件は変わらない。先人と同じ幸せをハイタッチして分かち合う。
浅間山の湧水で水風呂を堪能するにはサウナ。6代目の花岡さんは、この歴史ある菱野温泉の水と立地をもっと生かしたいと、コロナ禍にサウナを作りあげた。水分を含む木造サウナはまるで息しているよう。私も合わせて深く呼吸する。薪のエネルギーと蒸気の恵みに感謝を告げて。


サウナはフィンランドサウナの起源といわれる「スモークサウナ」をイメージしたログハウス型。フィンランドサウナの精霊といわれる「トントゥ」がお出迎えしてくれる。


薪やストーブ、ヴィヒタには地元の素材をふんだんに使用。水風呂から上空を見上げると、高い木々が包み込んでくれる。浅間山の湧水は飲み放題。薪サウナと水、外気が浄化してくれる。
菱野温泉 薬師館
Sauna Space TOJIBA ~湯治場~
案内人 笹野美紀恵(ささの・みきえ)
実家は、“サウナの聖地” として知られる静岡「サウナしきじ」。ホテルの温浴施設をプロデュースするほか、医療機関とオリジナルの薬草入浴剤を共同開発するなど、未病予防にサウナを活用する取り組みも行っている。
撮影 神林環
取材・編集 中野桜子
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