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アフリカサファリツアーは緊張感が桁違い 若き日の国枝慎吾が見た世界

アフリカサファリツアーは緊張感が桁違い 若き日の国枝慎吾が見た世界

LIFE STYLE オーランドの空の下で

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※ この記事は、翼の王国2025年7月号に掲載されたものです。

今年春、私は初めてクルーズ船というものに乗りました。オーランドから400キロほど南にあるマイアミを発着し、4泊5日の旅程でキーウエストとハバナを巡る船旅でした。その旅の感想は……、思っていた以上に快適でした。

当たり前ですが、船にさえ乗ってしまえば自動的に目的地に連れて行ってくれる。寄港地での観光に疲れたら、いつでも船に戻って休むこともできる。船内にはジムも完備され運動不足になる心配もない。24時間いつでも食事が楽しめ、夜にはたくさんのエンターテインメントも。

じつは私、旅程を組んだり、宿や食事、交通手段など、旅先でのさまざまな手配をすることを、少し億劫に感じてしまうタイプなんです。そんな私にとって、クルーズ船の旅はこのうえなく“楽ちん”でした。いや〜、たまには船の旅も悪くありません。


これまで私は、たくさんの旅をして、多くの国を訪問してきました。

現役時代、とくに、まだ世界ランキングが下位だった10代後半のころは、一点でも多くポイントを稼ぐため、強豪選手があまりエントリーしていない少々マイナーな大会にも積極的に参加しました。そのため、いまではあまり訪問する機会のない東欧や南米、アフリカ大陸の国々などにも、足繁く通ったのです。

気付けばパスポートは出入国のスタンプでいっぱいに。ついには余白がなくなり、査証ページを追加で増やしてもらったこともありました(法改正を受け令和5年3月27日以降、パスポートの増補制度は廃止)。

さまざまな訪問先のなか、とくに印象に残っているのが南アフリカです。もちろん、これも遠征のための旅でしたが大会期間中、わずかにあったオフに、サファリツアーに参加することが叶ったのです。

見渡す限りに広がるサバンナ。その、そこかしこに、日本の動物園では決して見ることができないような、生き生きとした野生動物たちの姿がありました。私が乗り込んだ4WD車が、5~6頭のライオンたちに囲まれてしまうなど、手に汗握るようなスリリングな体験もしました。

読者のみなさんのなかには「日本のサファリパークと大差ないのでは」と想像している方もいるかもしれません。しかし、それは違います。南アフリカで私が体験したサファリツアーはその規模感、そして緊張感ともに桁違いの素晴らしさです。もし、この先、彼の国を旅する機会があるという方はサファリツアー、マストでの参加をおすすめします。

写真・文 国枝慎吾

脊髄腫瘍のため9歳から車いす生活となり、11歳で車いすテニスと出会う。四大大会とパラリンピックを制覇する「生涯ゴールデンスラム」を達成。23年1月、世界ランキング1位のまま引退。

2016年よりスポンサーシップ契約を結んでいるANAは国枝さんの新しい挑戦をさらに応援し続けます。

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