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子どもが一人で飛行機に乗るなら…ANAジュニアパイロットのすすめ

子どもが一人で飛行機に乗るなら…ANAジュニアパイロットのすすめ

LIFE STYLE 快適な空だけの旅

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ちょっと遠くに住んでいた祖母の家に遊びに行くのが楽しみで仕方なかった。家に到着するなり祖母に抱きつき、めんこめんこ※してもらった後は、畳敷きの客間と居間の襖の溝を滑走路に見立てて、当時の最新鋭機ボーイング727のブリキのおもちゃを手に持って何度も離陸させては、家の中の部屋という部屋を「キュイーン」とエンジン音を口で再現しながら走り回って遊んでいた。今どきの子どもなら、ドローンがあたりまえなのだろうが、当時はそれが空への憧れを自分なりに表現する最先端の手段だったのだ。 

祖母=おばあちゃんという漠然とした認識以外に、母方、父方のどういう血縁関係であるとか、子どもの頃は全く理解できていなかった。月日が流れ、大人になってから、ようやくそういうことだったのかと気付かされることもあった。大人の事情はともかく、純粋に祖母を慕っていたあの頃が懐かしい。

いよいよ待ちに待った夏休みがやってきた。ずいぶん長かったように感じる人は少なくないだろう。お隣やご近所さんの目を気にせずに、往来ができるようになった喜びは何物にも代え難い。地方に住んでいる祖父母は、何年も会っていなかった孫との触れ合いを待ち望んでいる。 

時間を元に戻せたら、子どもを一人で飛行機に乗せて旅をさせてあげたかったなぁと思う。家族全員揃っての旅行が常だったパラダイス家では、自分を含めて誰一人として“ジュニアパイロット”の経験がない。

ジュニアパイロットとは、子どもが一人で飛行機に搭乗する時に利用できるサービスのことで、出発空港は保護者1名が搭乗口まで付き添って見送ることができる。後はグランドスタッフとキャビンアテンダントが指定した席まで親切に誘導してくれる。国内線では6歳から希望により11歳まで、国際線では5歳以上12歳未満(メキシコシティ発着便は14歳未満)がANAジュニアパイロットのサービス対象だ。事前に家で子どもと一緒にANA WEBサイト「めざせ! ひこうきキッズ★プレインはかせとミッションクリア♪」を何度も読み聞かせてあげて搭乗前の不安を払拭しておくとよい。

家の中で長時間ビデオゲームで遊ぶことに慣れている子どもにはどう感じるか。一人での飛行体験から得られる学びは相当なものだろう。不安やつらい気持ちの後の保護者の出迎えは心に深く刻まれるはずだ。

専用のネックストラップ型ホルダー「ひとりたびカード」は記念に持ち帰ることができる。部屋の壁にぶら下げて飾っておくだけで、飛行機旅の思い出が甦る。それ以上に、また飛行機に乗りたい気持ちが膨らむだろう。機内で貰える文具や風船なども大切なコレクションになろう。 

「かわいい子には、飛行機で旅させよ」by パラダイス山元 

〜つづく 

※北海道の方言で「頭なでなで」の意

パラダイス 山元 | ぱらだいす やまもと

プロ搭乗客。 ANA ミリオンマイラー。音楽家。餃子レストラン「荻窪餃子 蔓餃苑」オーナーシェフ。著書に『読む餃子』、英語版・フランス語版餃子レシピ本『GYOZA』、『パラダイス山元の飛行機の乗り方』『なぜデキる男とモテる女は飛行機に乗るのか?』などがある。全国各地で開催中の「皮からつくる本気の餃子づくり教室」などの出演イベントの詳細は X(旧Twitter) で発信中。

X @mambon

パラダイス 山元  写真