好きな人にはたまらない(はず)。少数民族の村で遭遇し た“お宝グッズ”的なもの〜タイ リアルローカルに触れる4
外の人たちとの触れ合いも少なかった少数民族の人々。それはモノも外から入ってこなかったということでもある。入ってこないのであれば、今あるモノを大切に使い続けなければならなくなる。それはつまり伝統や風習と同じように、古いモノを大切に使い続けることになる。多少なりとも現金収入を得ている現在では、生活必需品の多くは新しいものが入ってきている。とはいえ、今では世の中からほとんど消えてしまった、いくつかの“お宝”ともいえるものと遭遇できたりすることがある。
たとえばこれ。SINGER製のミシン。路上に面した場所に放置されているように見えるが、下にウサギちゃんのイラストのビニールシートが敷かれ、大切にされているのがわかるように、「ちゃんと今でも現役」。
次に遭遇したのはこちら。自転車。こちらも放置されているように見えるが、しかし取り付けられたバッグをよく見ると、自転車ほど古くないように見える。タイヤの空気が足りないようにも見えるが、きっと現役で活躍していると確信。
モノではないのだけど、自転車の横で見つけたのが赤いポスト。日本ではほとんど見かけなくなったポストもこの村ではなくてはならない存在。現役で活躍中。
昔のスタイルのまま、現役で活躍中といえば、こちらも。ドラム缶から直接給油するタイプのガソリン“スタンド”。タイの地方や島では比較的頻繁に目にするとはいえ、その数は年々減少。今では貴重なスタイル。遭遇した村では唯一の給油ポイントでもある。
最後は電化製品。築150年の古民家ホームスティのロビーにさり気なく置かれていたものたち。特に蓄音機は1900年初頭、イギリスのレコードレーベル、グラモフォン・カンパニーによって作られた、マニア垂涎の逸品。さらにナショナルとシーメンスのラジオまであるということから、かなりのマニア且つ、お金持ちだったことが伺われます。
タイに限らず、ローカルエリアを歩いたときの“年代物のお宝”との遭遇。これもまた、旅をしたことで得られる喜び。
取材・文・写真:山下マヌー