世界無形文化遺産、メキシコ郷土料理を食す〜メキシコ、マヤブルーの不思議-3
メキシコの郷土料理が世界無形文化遺産に登録されているということは、あまり知られていないのではないだろうか。タコスだけがメキシコ料理だと思ったら大間違い。郷土料理の故郷、プエブラでは初めて見るそして興味深い料理を食すことが可能。ここでは代表的3つの料理を紹介。
チレ・エン・ノガタは、チリポブラノの唐辛子に牛肉、豚肉、野菜、ナッツ、果物などを詰め、クルミとクリームで作ったホワイトソースをかけ、そこにザクロの果肉やパセリを散らして仕上げた料理。この白と赤と緑の3色がメキシコの国旗の色を連想させることから、メキシコの独立記念日(9月15日)には多くの人が食べる料理。甘いようで辛いようで。正直なところ、表現するのがなかなか難しく、なんとも例えようがない初めての味。
「チョコレートを使った世界で初めての料理」とされるのが、モーレ・ポブラーノ。その歴史は16世紀にまで遡り、スペイン人による侵略の際、修道院の女性たちがスペイン人をもてなすために考案した料理がそのルーツとされる。モーレ・ポブラーノのソースには、チョコレートだけでなく、ナッツ、スパイス、野菜など、様々な食材を使用。それを蒸した鶏肉にかけたらできあがり。チョコレートとはいえ、甘みはほとんどなく、むしろカカオの苦みが強いと感じる人のほうが多い。
チャルーパはトウモロコシの粉から作ったトルティーヤの生地を平らに伸ばし、フライパンで揚げたもの。揚げたチャルーパの上にサルサソースを塗り、チーズや卵、豚肉、鶏肉、豆などをトッピングして食べる。
簡単に食べられるので、軽食や前菜としてよく食べられている伝統料理のチャルーパ。テキーラやメスカルと一緒にいかが?
取材・写真・文:山下マヌー