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対馬の空を突く――霊峰・白嶽が語る島の原風景

対馬の空を突く――霊峰・白嶽が語る島の原風景

TRAVEL 2026.07 対馬特集

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対馬のどこにいても、その存在に目を奪われる。鋭い岩峰を空へ突き上げる白嶽は、古くから島の人々に敬われてきた霊峰だ。海から吹く風と深い森に抱かれたその姿は、対馬の自然の力強さそのもの。山を見上げると、この島が育んできた時間の深さに思いが至る。

海と大地と生きていく

対馬の約9割は山林に覆われ、ツシマヤマネコをはじめとする希少な固有種が生息する原生的な自然が広がっている。

地質は1600万年以上前に形成された堆積岩「対州層群(たいしゅうそうぐん)」からできており、そこに白い火成岩「石英斑岩(せきえいはんがん)」が貫入して形成された霊峰・白嶽(しらたけ)は圧巻。

島のダイナミックな地殻変動を象徴する「石」の存在は、先人の知恵により巧みに利用され、屋根や建築、神社、石焼き料理、硯(すずり)など随所に独自の文化がちりばめられる。

標高518mの九州百名山「白嶽」。山頂付近には修験道(しゅげんどう)で使われた「行者の岩屋」など巨石や絶壁が点在。頂上での感動は言葉にならない。浅茅湾や、条件がよければ韓国の山影を見渡せる。
石積み小屋は、浜辺の石を巧みに積んで築いた石壁の小屋。乾燥させた海藻を貯蔵していた。

こうして海と大地から成る対馬では、人々は豊かな資源を生かしながら自然と共存してきた。魚を獲り、畑を耕し、木を伐(き)り、家を建てる。暮らしに必要なことは自分たちで作るのだ。

海と大地のあいだに生きる人々の、暮らしに必要なものを自ら作る姿は、本当の豊かさとは何かを教えてくれる。

石屋根倉庫。穀物を守るため、屋根に岩を重ねた。特に厳原町(いづはらまち)椎根(しいね)地区に多く残る。人家には使用せず、火災時に小屋だけは残るよう配慮された。

撮影 Bourbon
コーディネート おだち(あつかんDRAGON)
取材・文・編集 中野桜子

<長崎への翼>
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