白鬚神社と鯖街道 滋賀・高島に息づく交易と祈りの歴史
鏡のように穏やかな湖面は、風景だけでなく、この地が歩んできた歴史も映し出してきた。近江最古と伝わる白鬚神社には旅人や人々の祈りが受け継がれ、余呉湖には羽衣伝説と戦国の記憶が息づく。そして若狭と京を結んだ鯖街道では、多くの人や物、文化が行き交い、高島を豊かな交流の地へと育んだ。水がつないだ祈りと交易の物語をたどれば、高島の奥深い魅力が見えてくる。
水の道が歴史をつくった

近江最古とされる白鬚(しらひげ)神社。琵琶湖に立つ大鳥居は、高島を象徴する風景の一つ。創建約2000年を誇り、現在の社殿は豊臣秀吉の遺命により、子の秀頼が造営した。延命長寿、導き・道開きの神として広く信仰を集めている。

湖面が鏡のように周囲の山々を映し出すことから「鏡湖(きょうこ)」と呼ばれる余呉湖。琵琶湖最北部に位置し、羽衣(はごろも)伝説が伝わる。1583年には羽柴秀吉と柴田勝家が争った賤ヶ岳(しずがたけ)の戦いの舞台となり、周辺には戦国の記憶を刻む古戦場跡が残る。

若狭で水揚げされた鯖や海産物を京へ運んだ鯖街道。高島市朽木(くつき)は、人や物、文化が行き交う宿場町として栄えた。安曇川(あどがわ)沿いに広がる街道には、今も歴史的な町並みや鯖鮓を扱う店が残り、往時の面影を色濃くとどめている。


写真 木内和美
取材・文・編集 服部広子
<滋賀への翼>
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