函館観光の裏通りに息づく古民家の現在 “アレモコレモ”が描く未来の街並み
受け継ぐ心が街に新しい風を運ぶ

函館ならではの上下和洋折衷様式の古民家を再生した「アレモコレモ」は、「伝統建造物を小商いで未来につなぐ」をテーマに運営されるシェア型複合施設だ。生花店や小料理店、美容室などが入居し、商店街のような小分けのブースと通り土間が出店者同士の距離を柔らかく縮めている。


ホウガ
北海道函館市末広町14 – 4
Instagram @houga___

金森赤レンガ倉庫の裏手に位置するこの施設でクラフトビアバー「White Seed」を営む平松祐太郎さんは、東京からUターンし、クラウドファンディングでこの店を立ち上げた。
全国から厳選したクラフトビールや、ファントムブルワーである平松さん自らが醸造したビールを昼から楽しめるとあって、観光客、地元客ともに人気が高い。
「観光地に近くアクセスはいいけれど、少し見つけにくい場所。クラフトビールが本当に好きな人に来てもらえたら」。
来年には店の向かいにある大正期の建物を活用し、醸造所併設の新店舗を開く予定だという。

White Seed
北海道函館市末広町14 -4
Instagram @whiteseed_beer
一方、明治時代に函館検疫所だった建物を利用した「ティーショップ夕日」は、開港都市・函館の歩みを静かに物語る喫茶店。海に面した窓辺で刻々と変わる景色を眺めていると、昔の人たちもまたここからこの海を見ていたのだと自然に思えてくる。

ティーショップ夕日
北海道函館市船見町25 -18
Instagram @teashopyuhi
函館には、古い建物を“残す”だけでなく、“暮らしの中で活かす”人々がいる。その営みが建物に新しい役割を与え、積み重なる時間が町並み全体の魅力をかたちづくっている。古きを活かそうとする人々の確かな意志が、西部地区の風景を次の時代へと導いていくのだろう。
写真 木内和美
取材・文・編集 宮崎沙綾
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