静岡“サウナの聖地”の魅力 薬草の香りと天然水の水風呂
薬草の力、水の柔らかさ
日本中から愛される「サウナの聖地」の秘密
私のルーツは、実家が「サウナしきじ」だったところにある。物心ついた頃から、サウナと水風呂は日常の一部。ところが大学卒業後、東京へ出た当時のこと。
サウナの乾いた熱さに息苦しさを感じ、水風呂は肌に刺さるように痛い。そこで初めて、静岡の水の柔らかさを知ったのだ。
しきじの水風呂は、地下から汲み上げる天然水。不思議なことに、同じ地域で掘っても、同じ成分の水が出るとは限らない。地層や環境が重なった、まさに偶然の産物だ。その水と独自に調合した薬草が出合い、湿度を含んだ蒸気となって、身体(からだ)をまろやかに包んでくれる。
いつからか「聖地」と言っていただいているが、それを守っているのは現場のスタッフたち。掛け流しでありながら、水風呂は毎日すべて抜いて入れ替える。古い施設だからこそ、手をかける。その姿が、しきじの湯気と活気を作っている。
しきじの魅力は一に水。ミネラル分が非常に豊富な天然水は柔らかい。
そしてなんといっても薬草たっぷりのサウナと漢方薬草風呂がすごい。施設一帯を包み込むような薬草の芳醇な香りで全身が蒸される。薬草は韓国のものを含め、数十種類を独自にブレンドしたものを使用。

サウナ室にはスチームが搭載され、湿度たっぷりの薬草蒸気に包まれる。カラカラのドライサウナが主流だった昭和、平成時代に、おそらく唯一無二の環境だったのではなかろうか。

そして湯上がりのお楽しみは食堂。メニューは種類豊富だが、本場韓国の蕎麦粉入りの麺を使用した冷麺が人気!ビールにつまみ3品が付く「ちょい飲みセット」で過ごす人の姿も。館内は完全男女セパレートで、食堂も別々。とくと自分時間に浸ることができる。清掃時以外は24時間営業だが、早朝の清掃時間ですら行列ができる。

サウナしきじ
案内人・笹野美紀恵(ささの・みきえ)
撮影 金子斗夢
取材・編集 中野桜子
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