大阪・京橋の人気寿司店「鮓きずな」 赤井勝が魅了された味と“心地よいリズム”
大阪・京橋の住宅街に店を構える、完全予約制の人気寿司店「鮓きずな」。6、7年前から通う花人・赤井勝さんが、テンポよく供される料理と店内に響く音から気づいた、味わいをさらに豊かにする“心地よいリズム”について綴ります。

今回は、私の地元・大阪の人気寿司店「鮓きずな」のことを書きたいと思います。
京橋駅から歩いて10分ほど、繁華街から少し外れた住宅街のなかにある完全予約制のお店で、私は縁あって6、7年前から通っています。
営業開始の18時にならないとシャッターは開けてはもらえません。毎度、店の前には予約客がズラッと並んでます。ありますよね、「時間前に来たって、入られへんよ」的な、繁盛店ならではのスタイル。ある意味、当然と言えば当然なのですが、夏は暑いし冬は寒いしで……。ボヤキな私は「早(はよ)う開けてえや」と心のなかでブツブツ言いつつも、いつも期待値を高めながら待つんです。
そして、18時。シャッターがガラガラガラッと開いて、満を持して入店です。見れば開店と同時に12〜13席あるカウンターが予約客でびっしりです。最初に訪問したとき、ここで私は少々不安になりました。というのも私、お寿司はお弟子さんやなしに、店の大将に握ってもらいたい派だから。10人以上の客を相手にして大丈夫なんかな、と。
ところが、この店の大将、仕事は丁寧なのに、手が早いんです。しかも、お任せコースのみですが、お造りなどの料理、そして握り、しめの椀ものまで全部で30品ほどが、トントントンとテンポよく供されるんです。
そして、大将の足元には、いまどき珍しい板前用の高下駄がカランコロンと鳴っています。 ここで私は気づいたのです。「ガラガラガラッ」「トントントン」「カランコロン」、リズミカルな音が、味覚に彩りを添えていることに。客はおいしい料理はもちろん、このリズム感にも酔いしれ「やられたー」となるのだと。
今月はグリーンカラーリリーをメインに、私もさまざまな花材をリズムよくポンポンポンと。
赤井勝(あかい・まさる)
装花・文 赤井勝
編集 仲本剛
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