奈良で人気の薬草温泉「やたきや」 宇陀で体感する1000年の薬草文化と効果
1000年の薬草文化が息づく宇陀の薬湯へ 大和当帰に導かれて


実家が温浴施設を営み、幼い頃から薬草の香りにまみれて育った私は、いつしか薬草の力と経皮吸収の可能性を常に考えるようになった。

奈良・宇陀(うだ)に1000年伝わる日本固有の薬草、大和当帰(やまととうき)はそんな私のライフワークに深く刺さった。大和当帰はセリ科の多年草で、特に婦人薬として血の道症などに用いられてきた。大和高原の標高五百メートルに広がる宇陀は、推古天皇が薬狩りを行ったとされる薬草の里で、古来から薬草がよく育つ土壌だったそう。

「やたきや」は築300年の古民家を再生したオーベルジュで、当帰の薬湯と食を、この里山ならではのかたちで味わえる。畑に囲まれ、大和当帰を使った湯と料理に浸る時間は、心身を静かに整えてくれる。キンと冷たい空気の中で、当帰は私たちの体をポカポカと温めてくれる。

やたきやは、4つの客室を持つ古民家リノベーション宿。全室にヒノキ張りの浴室、信楽焼の浴槽があり、大和当帰をふんだんに使用した薬湯が味わえる。イベントとしてテントサウナを設置する際は、ロウリュに当帰を利用。宿泊客が自分で配合した「入浴剤」を作ることができる。

大和当帰のほか、にんじん、セロリ、ごぼう、大葉、ほうれんそうなどの大和野菜の粉末も調合できる。和の朝ごはんやイノベーティブイタリアンの夕食でも当帰を使用。宇陀のお土産には名物の「大和当帰葉うどん」が人気。
うだ薬湯の宿 やたきや
案内人・笹野美紀恵
実家は、“サウナの聖地”として知られる静岡「サウナしきじ」。ホテルの温浴施設をプロデュースするほか、医療機関とオリジナルの薬草入浴剤を共同開発するなど、未病予防にサウナを活用する取り組みも行っている。
撮影 金子斗夢
取材・編集 中野桜子
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