メインコンテンツにスキップ
箱根・龍神の森へ 箱根神社と九頭龍神社を巡る心を整える旅

箱根・龍神の森へ 箱根神社と九頭龍神社を巡る心を整える旅

LIFE STYLE SHINDO

share

とちのこえをきく—箱根神社、芦ノ湖

写真:宮澤正明
音楽:黑瀧節也
Recording & Sound Design by Setsuya KUROTAKI All tracks copyright protected. All rights reserved.
℗ / © 2026 schön rec. Under exclusive license to NOiR Inc.
https://maison-noir.net/
https://setsuyakurotaki.com/

豊かな森に抱かれた芦ノ湖。湖面を渡る風や鳥のさえずりが日常の緊張をゆっくりとほぐしてくれる。箱根の自然が紡ぐ音の世界をお楽しみください。

芦ノ湖を渡る風、森に響く鳥の声、神前に捧げられる一服の茶。箱根神社から九頭龍神社へと歩みを進めると、日常の雑念が少しずつ遠のいていきます。20年ぶりの献茶式を起点に、祈りと自然に身をゆだねながら、「何もない時間」の豊かさに出会う箱根の旅を紹介します。

かみさまのこえをきく

深く息を吸い、祈りを捧げ、森の静けさに身を委ねる時間は、自律神経を整え、心と体を本来のリズムへと導いてくれる――。ウェルネスのスペシャリストが神社を巡り、日本古来の祈りと「よりよく生きること」のヒントを探る本連載。雄大な自然と歴史が調和する箱根で、「何もない時間」がもたらす豊かさに触れた。

Mindful Steps 10,052歩
今月の「SHINDO」チームによる、箱根神社から九頭龍神社までの往復散策の歩数(目安)

SHINDO ——神社でひらく、心と体のウェルネス

SHINDOとは、「心・体・神」を一つにつなぎ、“今”に意識を向けて生きるための日本発のウェルネス。「心(Mind)の道・身(Body)の道・神(Spirit)の道」の意味を内包し、日本の古(いにしえ)より続く“今この瞬間を生きる”という思想「中今(なかいま)」を軸に据える。
その土地の自然音や神社にまつわる音に身をゆだね、神々をイメージした神楽(かぐら)のような動きと呼吸を重ねることで、心が静まり、意識は自然との調和へと向かう。本連載では、このSHINDOの考え方をもとに神社を巡り、心と体がひらかれていく旅をひもといていく。

箱根 龍神の森で心を整える

芦ノ湖畔に鎮座する箱根神社
20年ぶりの献茶式で祈りを捧げる

7月11日、箱根神社の御本殿にて、「禅茶 仙狹會」を主宰する山﨑仙狹先生の奉仕による献茶式が執り行われた。箱根神社での献茶式は、2007年の御鎮座1250年記念大祭以来、約20年ぶりとなる。前回に続いて奉仕者を務めた山﨑先生は、御祭神への感謝と祈りを込め、一服の茶を奉納した。

箱根神社で執り行われた献茶式。神前に茶を供える静かな儀式は、一つひとつの所作に無駄がなく、張り詰めた空気の中にもどこか穏やかな時間が流れていた。

式を執り行った茶道家の山﨑仙狹先生は、「献茶は神様にお茶を差し上げるだけではありません。自分や、一緒にいる皆さんの心を整えることでもあるのです」と語る。さらに、「神様の前で手を合わせたり、お辞儀をしたりする瞬間、人はいっさいの執着や雑念を手放している。その〝一瞬の無〞が大切なのです」と続けた。

禅茶・茶道研究家、華道家として活動する山﨑先生。日本文化の原点である「禅茶」の普及に力を注ぐ。20年ぶりに箱根神社で献茶式を奉仕し、「神様の導きで再びこの場に立てました」と感慨を語った。

箱根神社

奈良時代の757年に創建。源頼朝や徳川家康ら武将の信仰を集め、樹齢600年を超える杉並木や芦ノ湖畔の自然に包まれた箱根を代表する神社。
住所:神奈川県足柄下郡箱根町元箱根80-1

実は、箱根神社は私が最も足を運んでいる神社の一つだ。参拝だけでは終わらない。ここを訪れるたびに辿るお気に入りのルートがある。

まずは箱根神社を参拝し、そのまま九頭龍神社(本宮)が鎮座する「箱根九頭龍の森」へ。「セラピーロード」と呼ばれる遊歩道には木漏れ日が差し、鳥のさえずりや風に揺れる木々の音だけが聞こえる。歩を進めるうちに頭の中を占めていた考え事がいつの間にか薄れ、ただ森の静寂に包まれていく。山﨑先生が話していた「一瞬の無」とは、こういう感覚なのかもしれない。

私は昔から龍という存在に強く惹かれてきた。毎朝の瞑想では、龍が自分の体をすっと通り抜けていく姿を思い描いている。そのせいだろうか、森を歩いていると龍の道を歩いているような感覚になり、この土地に息づく龍の物語が心に浮かぶ。目に見えないものを想像することもまた、その場所を深く味わうための大切な時間なのである。

九頭龍神社は、奈良時代の僧・万巻上人(まんがんしょうにん)が村人を苦しめた毒龍を調伏し、龍神へと導いた伝説が伝わる。開運や金運、商売繁盛、縁結びの神として広く信仰を集める。

九頭龍神社で手を合わせた後は、『龍宮殿』の日帰り温泉で体を休める。神社で心を整え、森を歩き、温泉で体を癒やす。この一連の流れが、私にとっての箱根のウェルネスルートだ。「何もない時間」。箱根は、その時間の豊かさを静かに思い出させてくれる場所だ。

とちのものをいただく—甘酒

江戸時代初期に創業し、茅葺き屋根や囲炉裏など昔ながらの風情を残す茶屋。「甘酒は、ビタミンB群やアミノ酸などを豊富に含み、『飲む点滴』とも呼ばれる発酵食品。砂糖なしのやさしい甘みで箱根散策の後にうれしい一杯です」と竹下さん。

甘酒茶屋

神奈川県足柄下郡箱根町畑宿二子山395-28

空港からのアクセス
箱根へは羽田空港から車で約90分

竹下雄真(たけした・ゆうま)

会員制パーソナルトレーニングジム「デポルターレクラブ(麻布台ヒルズ)」代表。神奈川県茅ヶ崎市生まれ。早稲田大学スポーツ科学研究科修了。トップアスリートをはじめ多くの著名人の肉体改造に携わり、ウェルネス以上、メディカル未満の領域で、クライアントの進化に日々携わる。

写真 宮澤正明
案内人 竹下雄真
音楽 黑瀧節也
編集 服部広子

翼の王国のアンケートにぜひご協力ください。
抽選で当選した方にプレゼントを差し上げます。