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45年前「ランナウェイ」にやられた中学生は今年もあの歌声を追いかける

45年前「ランナウェイ」にやられた中学生は今年もあの歌声を追いかける

LIFE STYLE 花、旅、人

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45年前、中学生だった私は、シャネルズのデビュー曲「ランナウェイ」に出会い、心を撃ち抜かれました。そして昨年、デビュー45周年を迎えた鈴木雅之さんのコンサートで、私は再びあの歌声に心を奪われました。歳月を重ねても色褪せるどころか、深みを増して響く歌声。そのぶれることのない美学に触れたとき、今月の花・芍薬が持つ唯一無二の艶と品格が、私の中で静かに重なったのです。

昨年、私は“ラブソングの王様”鈴木雅之さんの、デビュー45周年コンサートを拝見する機会に恵まれました。懐かしいシャネルズやラッツ&スター時代の名曲、彼の太くて深みのある歌声を聴きながら、私の脳裏には45年前、中学生時代の「やられた!」が、まざまざと蘇(よみがえ)ってきたのです。

あれは、私がまだ「花人」になる少し前、中学校に通っていたころです。日本の音楽シーンに突如として現れた、顔をメイクで黒く塗ったタキシード姿のシャネルズ。一見、奇を衒(てら)ったかのような姿からはかけ離れた、高い歌唱力と抜群のコーラスワークで歌い上げる本格的なドゥーワップ。彼らのデビュー曲「ランナウェイ」に、中学生だった私は全身を貫かれたような、凄(すさ)まじい衝撃を覚えたのです。

あまりのインパクトに、私は中学の卒業式を、彼らの影響を大いに受けた姿で出席したのです。少しでもその雰囲気に近づこうと、友人たちと相談。さすがにメイクは控えましたが、学ランに白手袋を装着することに。そして、花屋の息子は生花で友人たちのぶんもブートニアを手作りし、自分たちの胸元を飾ったのです。

あれから45年。鈴木さんの歌声は色褪せるどころか、より深みを増して魅力的でした。年齢は重ねておられますが、タキシードに蝶タイ、サングラス姿で舞台に立った姿の本当に格好いいこと……。ああ、この人はまったくブレることなく、王道を歩んでこられたんやな、と感動したのです。

今月の花は芍薬(しゃくやく)。この花が持つ唯一無二の艶(つや)っぽさで、私がなにを表現したかったか、もはや説明の必要はないと思います。

いまも、鈴木さんはツアー中です。その歌声に「やられた」と打ちのめされるべく、私は今年も彼のコンサートに足を運びます。

赤井勝(あかい・まさる)

65年、大阪府生まれ。花を通じ心を伝える自らを「花人」と称し、自身の飾る花を「装花」と呼ぶ。08年、北海道洞爺湖サミット会場を花で飾り、13年、伊勢神宮式年遷宮では献花を奉納。24年、大阪府堺市に「Akai Masaru Art Museum」をオープン。

装花・文 赤井勝
編集 仲本剛

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