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秋田の大豆が新しい名物に グリルでカリッと焼けるご馳走油揚げ

秋田の大豆が新しい名物に グリルでカリッと焼けるご馳走油揚げ

LIFE STYLE 旅するお取り寄せ

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食いしん坊の方々が出合った、とっておきのお取り寄せを教えてもらう連載。暮らしを幸せにしてくれるあの味を求めに、旅をしたくなることでしょう。

「秋田の文化を後世まで残したい」地元を想う気持ちが凝縮した味

食とお酒、そして旅をこよなく愛する文筆家・料理研究家のツレヅレハナコさん。日々の晩酌や、好きなお店をアップしているインスタグラムは大人気だ。『ツレヅレハナコのお取り寄せ酒のアテからご飯のおかずまで。絶対おいしい超私的セレクト 113』を出版するほど、全国の名産品に詳しいツレヅレさんが、今一番気に入っているのは、意外にも油揚げだそう。

「秋田在住の知人の編集者から、『秋田の大豆栽培面積は全国でも上位なのに、取引価格や後継者不足、気候変動による不作などで農家さんたちがとても厳しい状況らしいんです。なのでいつか、生産者さんたちの自信につながるような豆腐店をやりたいと思っていて』という話を聞いていたんですね。それからしばらくたったある日、『豆腐店をはじめました!ぜひ食べてみてください』というメッセージとともに、この『よじろあげ』が届きまして」

『よじろあげ』は、秋田県産の大豆『りゅうほう』でつくった木綿豆腐を水切りしてからミキサーにかけ、職人が手でこねて一枚一枚揚げたもの。豆腐店を経営していた祖父を持つ矢吹史子さんが、父のアイデアを元に生み出した商品。商品名は、秋田市に古くから伝わる「与次郎(よじろう)狐」の物語に由来する。

「夢を実現させた知人のことを思うと込み上げてくるものがあり、届いた日にすぐ焼いて食べました。油揚げと厚揚げの中間のような絶妙な食感に、付属の甘いタレがすごく合うんです。ふわっと軽やかで、あまりのおいしさにびっくりしました。油揚げって、馴染み深いものではあるけれど、脇役なことが多いじゃないですか。でもこれは別。わざわざ手間をかけてでも取り寄せたいごちそうです。この商品が生まれたストーリーも感動的ですし、そしてなにより味が素晴らしい。もう推すしかないですよね(笑)。魚焼きグリルでカリッと香ばしく焼いて、付属のタレやしょうがじょうゆ、からしじょうゆなどに付けて食べるのがおすすめ。大豆の味の魅力を改めて教えてくれます」

豆腐百景

『豆腐百景』のよじろあげ油揚げと厚揚げの間のような新食感揚げ。秋田に伝わる伝説に登場するキツネ「与次郎」が名前の由来。油をひかずに焼くのがおいしくいただくコツ。1,100円(3枚入り、専用タレ付き)。オンラインショップにて取り寄せ可能。

ツレヅレハナコ

文筆家・料理研究家。雑誌やwebへの寄稿多数。Instagram(@turehana1)に日々食べたおいしかったものを綴っている。自身がプロデュースした調理道具も人気。新刊は『ツレヅレハナコのからだ整え丼』(Gakken)。

撮影 江原隆司
取材・文 高田真莉絵