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こだわりの小麦と手作りの石窯が育む 1カ月かけて食べたい「季節のパン」

こだわりの小麦と手作りの石窯が育む 1カ月かけて食べたい「季節のパン」

LIFE STYLE 旅するお取り寄せ

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食いしん坊の方々が出合った、とっておきのお取り寄せを教えてもらう連載。暮らしを幸せにしてくれるあの味を求めに、旅をしたくなることでしょう。

パン自体にエネルギーがあるから 一口食べると元気をもらえる

映画『転校生』でデビューして以来、俳優としてだけでなくエッセイストとしても活躍する小林聡美さん。小林さんは、最新エッセイ『茶柱の立つところ』にも書かれているように、パンにはこだわりがある。今、特に気に入って時々お取り寄せしているのが長野県・八ヶ岳山麓に店を構える「SANTERIA」のパンセットだ。

「以前、頻繁に八ヶ岳に通っている時期があったんですが、最近はあまり行ってなくて。友人に『新しいパン屋さんができたよ』と、お土産にもらったのがきっかけで出合いました。あまりにおいしかったので実際に足を運んでみたら、お店の佇まいも素敵で、一気にファンに。八ヶ岳の爽やかで澄んだ雰囲気や空気がぎゅっと凝縮されているようなお店なんです」

「SANTERIA」のパンは大地が育んだ小麦を使用。薪の力を使い、店主が手作りしたという石窯で焼き上げるため、パンの焼き色が一つずつ異なるのも魅力の一つだ。お取り寄せすると、油脂類を一切使用しない弾力のある食パンや、全粒粉の香ばしい生地のレーズンパン、季節の食材を使った「季節パン」など全4種の「パンセット」が届く。季節によってセットの内容が変わるので、毎月注文するファンも多い。

「一人では一度に食べきれない量が届くのですが、パンの保存方法が丁寧に書かれた紙を入れてくれているので、その通りに保存して。ゆっくりと1ヶ月かけて食べきります。仕事で忙しくしていて、あまり買い物に出られないときに冷凍庫においしいパンがあると安心するんです。友人に『おいしいから食べてみて』と送ることも。パンの説明もそれぞれ手書きで書いてくださっていて、お店の方の優しさに温かい気持ちになります。天然酵母で作られているからなのか、ここのパンにはエネルギーを感じます。力強い味と言ったらいいのかな。パンそのものの味を楽しみたいから、あまりおかずなどは合わせずにシンプルにいただきます。トーストしたパンにさっとバターを塗って食べるだけで元気になれますよ」

『SANTERIA』のパンセット

薪窯で焼き上げた「食パン」「大粒レーズンとくるみ」、じっくり発酵させた「サンテリアブレッド」と「季節のパン」の4種セット。内容は毎月変わる。3,500円(送料込み)。予約、問い合わせはInstagram(@__santeria__)から。
※焼き菓子などの同梱は不可

小林聡美

俳優。1965年、東京都生まれ。最近の主な出演作に、ドラマ『春になったら』(’24)など。コロナ禍中に書き始めた最新エッセイ『茶柱の立つところ』(文藝春秋)では、ささやかで「茶柱のような」発見や喜びを綴っている。

撮影 江原隆司 
取材・文 高田真莉絵