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料理家も絶賛 素材の味を引き立てる上嶋醤油醸造店の醤油

料理家も絶賛 素材の味を引き立てる上嶋醤油醸造店の醤油

LIFE STYLE 旅するお取り寄せ

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食いしん坊の方々が出合った、とっておきのお取り寄せを教えてもらう連載。暮らしを幸せにしてくれるあの味を求めに、旅をしたくなることでしょう。

松本の土地と匂いを感じる複雑で豊かな風味

青山学院大学で映画学や表象文化論について教鞭を執り、食に関する執筆も行う、三浦哲哉さん。おいしいお酒や料理に目がなく、ほぼ毎日キッチンに立って料理をするという三浦さんが、料理をする際に「完全に頼りきっている」のが、上嶋醤油醸造店の醤油だ。

「今から20年前くらいに、本格的に自炊をし直そうと思った時期がありまして。その際に参考にした丸元淑生という著名な料理家が、著書の中で絶賛していたのがこの上嶋醤油醸造店の醤油でした。

以前まで使っていた一般的な醤油に感じていたような、ツンとするような尖った感じがこれには全くなくて、あまりのおいしさに驚きました。複雑で豊かな風味なのですが、同時に涼しげでしーんと静まりかえっているような印象と言いますか。初めて口にした際は、『丸元が絶賛するのも納得!』と、思いました。白身魚につけて食べたときには、魚がおいしくなったのかと感じるほど。素材の味を邪魔せずに、引き立ててくれるんです。和食にはすべてこの醤油を使います。なんでもおいしくなるので、ズルをしているような気持ちにすらなります(笑)。出合ってからずっと、この味に完全に頼りきっています。

上嶋醤油醸造店があるのは、私の大好きな街の一つである長野県・松本市。旅行をした際に足を運んで直接お話を伺い、ますますこの味が好きになりました。そこで聞いたお話によると、松本の冷涼な気候は醤油や味噌など発酵食品づくりにとても適しているそうです。伝統的な木樽の中に添加物などを一切使わずに約1年半かけてじっくりと丁寧に醸造させたこの醤油。そのベースには、たくさんの川に清らかな水が流れ、木々を涼やかな風が抜けてゆく、そんな松本の土地の匂いがあるように感じられてなりません。

3カ月に一回ほど、電話で3本ずつ注文するのが習慣。女将さんが優しく明るく応対してくださって、そのたびに、『ああ、今回も松本から届けてくださるのだな、ありがたいな』という実感をあらたにします」

『上嶋醤油醸造店』の天然醸造醤油

創業明治36年の老舗醤油店。約1年半、木樽で醸造し、当時から変わらぬ製法で作る。原材料は、大豆・小麦・塩・砂糖・アルコールのみ。すべて国産で、保存料や着色料は一切使わないのがこだわり。料亭などでも愛されている。

1,870円

1,800ml

0263-78-2566

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三浦 哲哉

青山学院大学文学部比較芸術学科准教授。専門は、映画批評・表象文化論。食についての執筆もおこなう。「誰でも進んで自炊をする人=自炊者になれる」をコンセプトにした実践の書『自炊者になるための26週』(朝日出版社)を上梓。

撮影 江原隆司 
取材・文 高田真莉絵