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松阪牛“1%の奇跡”を味わう牛肉寿しと、大阪万博で出会ういのちの物語

松阪牛“1%の奇跡”を味わう牛肉寿しと、大阪万博で出会ういのちの物語

LIFE STYLE 花、旅、人

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万博と、奇跡の出会い

「1%の奇跡」 ─ ─。皆さんは、そう呼ばれる牛肉があることをご存知ですか?三大和牛の一つで三重県松阪市とその周辺で飼育・生産される松阪牛は、まさに肉の芸術作品。ただ、意外にもその多くは他県から買い入れた仔牛(こうし)を数年間、当地で成育したもので、生まれも育ちも三重県という松阪牛はとても少なく、なかでもA5等級の雌牛(めうし)となると、全体の100分の1にも満たないと言われています。ゆえに、その希少な松阪牛を「1%の奇跡」と呼ぶのだそうです。

先日、私はその“奇跡”を「牛肉寿し」としていただく機会に恵まれました。低温調理された霜降り肉の握りに、これまた最上級のウニがトッピングされた“贅の極み”のような料理でした。そして、店の主人は私に料理を供しながら「自分も三重県生まれ、三重県育ちです」と微笑(ほほえ)みました。

さらに聞くと「母の実家は鮮魚店、父の実家は精肉店でした」と言うのです。私は「あなたも、あなたが作ったこの料理も1%の奇跡のようやね」と言葉を返しました。ご両親の出会いがなければ彼は生まれてくることはなく、海鮮と牛肉、それぞれのプロフェッショナルのDNAが、この逸品を生み出す原点だと思えたからです。そして、少し大袈裟かもしれませんが私は思ったのです。いま目の前で起きている事象のすべては、そんな奇跡が結実したものなのではないのかと。

赤井さんが実際に食した「牛肉寿し」

今月の装花は、クラスペディア・ゴールドスティックです。可愛らしい球状の花容ですが、じつは、小さな何百という花の集合体。つまり、この装花には万という数の花が集(つど)っています。同じく、何万もの人が連日、世界中から来場し盛り上がっているのが、私の地元で開催中の「大阪・関西万博」。「いのち輝く未来社会のデザイン」がテーマの万博ですが、そこにはきっと、数えきれないほどの“奇跡の出会い”もあるはず。皆さんもそんな奇跡を見つけに、足を運んでみてはいかがですか。

赤井 勝(あかい まさる)

65年、大阪府生まれ。花を通じ心を伝える自らを「花人」と称し、自身の飾る花を「装花」と呼ぶ。08年、北海道洞爺湖サミット会場を花で飾り、13年、伊勢神宮式年遷宮では献花を奉納。17年、フランスのルーブル王宮内パリ装飾芸術美術館で開催の 「JAPAN PRESENTATIONin PARIS」でも桜の装花を担当した。昨年、 大阪府堺市に「Akai Masaru ArtMuseum 」をオープン。

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