エコシステムを循環させるフードトラック〜カリフォルニアフードトラックドリーム vol.3
西海岸のフードトラックは、サステナビリティの観点からも注目を集めている。調理スペースが小さいため、エネルギー消費量が少ないうえ、従来のレストランに比べて、食器や調理器具を共有する必要がないために廃棄物が少ないのだ。フードトラックがサステナビリティに貢献していることを認め、フードトラックの台数を増やす政策を進めている自治体もある。
また、フードトラックがサステナビリティに配慮した調理方法を採用することを義務付けている自治体もあり、レストランにおけるサステナビリティのモデルケースとしても位置づけられようとしている。
それに応えるように、フードトラックの多くはコンポスト可能な容器や再利用可能な容器を使用。フードトラック同士が共同で地元の食材を仕入れ、生産者とサステナブルな関係も築いている。パンデミック期間中、屋外で食べることの心地良さを多くの人々が実感。外での食事機会が増えたことで、環境や自然への意識が高まり、そうした声に応えるべく次々と新しい試みを行うフードトラックが生まれているのだ。
それはつまり、フードトラック(とそれを利用する人々)はエコシステムの一部として組み込まれ、重要な役割を果たしているということでもある。
元々自然や環境に対して意識の高い住民が多い西海岸において、これらの取り組みを積極的に行うフードトラック。今後ますます人気となることが予想されている。
写真・取材・文:山下マヌー