寂聴さんが「最後の晩餐」と決めていたすっぽん鍋〜寂聴さんと歩く京都vol.1
先生のお供をした思い出深いお店。
「大市」では初すっぽんに
おそるおそるお箸をつけ……
今はその魅力、わかるようになりました(瀬尾まなほ)
大市
寂聴さんの秘書の瀬尾まなほさんは、寂聴さんのお供で、寂聴さんは作家の里見弴氏のご縁で「大市」 に魅せられた。「すっぽんは先輩から順繰りに伝わっていく秘密の味なのかも。スープをひと口いただけば、元気が湧きます」(瀬尾さん)。信楽鍋の底が真っ赤になるほどの高温で炊かれた生姜たっぷりの すっぽん鍋は、運ばれた時が最高の状態。そのため、二回に分けて 供するのも名店のこだわり。大市は元禄年間から340年のあいだ、すっぽん料理一筋に18代にわたり続く老舗。メニューは○鍋のコース(¥24,500)のみ。すっぽん肉のしぐれ煮の先付に続き、すっぽんの〇鍋、スープをお餅と鶏卵でとじた雑炊、香物、季節の果物。
大市
TEL 075-461-1775
京都市上京区下長者町通千本西入ル六番町
火曜休み(変更の場合あり)
昼 12:00~(最終入店12:30)
夜① 17:00(最終入店17:30) 夜②19:00(最終入店19:30)
要予約
ゆたか
鉄板にはたっぷりのにんにく。そこに綺麗なフィレ肉が載せられ、輝く銅のステーキカバーが覆う。絶妙な火入れで切ないほどかぐわしい「特選フィレステーキ」(100g ¥16,000 ~)は、まさに唯一無二の味。取材中、「ゆたか」で寂聴さんとステーキを食べた思い出に何人もの人が顔をほころばせていたのも頷ける。もとはお茶屋であった京町家を現代に蘇らせたエレガントな店内。カウンター席、落ち着ける個室、2階には舞台付きの座敷も備えている。夜の食事の予算は¥27,500~(サービス料別途)。コースも複数用意されていて、選びやすい。お昼はハンバーグ、ステーキ重、カレーなど気軽な美味も。
ゆたか
TEL 075-531-0476
京都市東山区祇園町南側
四条花見小路下ル四筋目東入ル
不定休
昼11:30~13:30(L.O)
夜17:30~
アクセス 京阪線「祇園四条駅」から徒歩8分
廣川(うなぎ)
二代目のあるじ、牧野順二さんは、先代が京都に根付かせた江戸前の蒲焼の味とともに、大人好みの空間を 完成させた。高名な数寄屋大工の手になる店内は、どの席も極上の居心地。寂聴さんとは、「40 年以上のご縁。80 代に入られてからも健啖家で、メニューにはない腹二枚の特大蒲焼をニコニコと召し上がっていた。とても良い思い出です」。主に鹿児島県、宮崎県の上質な国産鰻のみを愛宕山系の地下水で数日飼い込み、予約の時間に合わせて作りたての繊細な美味を供する。そのため、必ず予約を。蒲焼き¥5,100~、白焼き¥5,100~、うな重¥3,900~、うざく¥1,000、きも入り吸い物¥500、など
廣川(うなぎ)
TEL 075-871-5226
京都市右京区嵯峨天龍寺
北造路町 44-1
月曜休み(祝祭日を含む)年末年始、1、5、10月に連休あり(HPにて事前に告知)
昼 11:00~15:00(L.O.14:30)
夜 17:00 ~21:00(L.O.20:00)
駐車場 18台 ※土日祝日は、店舗前の長辻通りは北向き一方通行に(10:00~17:00)
電話予約は予約日の1ヶ月前の同日より開始。日本語のみ。
完全予約制 ※海外からの予約はホームサイトの英語・中国語ネット予約より
嵯峨 おきな(日本料理)
素材の季節感と風味を丁寧に引き出した料理とあたたかなもてなしで愛される嵯峨野の名店。寂聴さんは最も古い顧客のひとりで、最晩年も「外食が難しい時は仕出しでうちの料理をお届けしたり。お会いできなくなったのは寂しいけれど、ずっと好んでいただけたのは本当に嬉しいこと です」(女将の井上節子さん)。