99歳現役作家!寂聴さんが元気をもらっていた場所〜寂聴さんと歩く京都vol.2
90代になっても、新しいことに目をキラキラさせて
締め切りには徹夜で原稿を書いていた先生。
あのパワーの源は、美味しい食事、
楽しいお酒とおしゃべりだった気がします。
(瀬尾まなほ)
えん(お茶屋バー)
京都の面白い人、面白い話が「えん」に集う。 瀬尾さんは「先生と私の同時出版記念以来」とのことで、まずは献杯。寂聴さんの楽しいエピソードは数えきれないが、「ある催しで、偉い学者が『なんだ今日は婆あばかりだな』と言ったら、寂聴先生が『あんたもジジイでしょ!』と一喝。 胸がすくようでした」(店主・鷲見安也さん)。 常磐津の名手で「お師匠さん」と親しまれた先代を引き継いだ「ボン」さんこと鷲見さん。その唯一無二のキャラクターと話術に惹かれて、作家・芸能人・財界人など、錚々たる顧客が訪れる。ときに芸妓さんや舞妓さんと遭遇するのも祇園の夜ならでは。
えん(お茶屋バー)
みの家(お茶屋)
小説『京まんだら』は、先代女将の吉村千万子さんとのご縁が生んだ傑作。時には自らお茶屋遊びをして取材することも。二代目女将、吉村薫さんとも細やかな交流が。「遊び上手で明るい先生。何でも話したくなってしまうんです」。お茶屋さんのこと、「みの家」のことを知るには、吉村薫さん自身がたおやかに語る「祇園、うっとこの話『みの家』女将、ひとり語り」(聞書き=谷口桂子 平凡社)がお勧め。お茶屋の日常や女将としての人生哲学をひもとくことができる。もちろん寂聴さんとのエピソードも。
記事冒頭の写真は、左から「てる子」のてる子さん、寂聴さん、吉村薫さん、『京まんだら』大詰で「東山」を舞うえん子のモデル、故・その子さん。上の画像は平成 6 年正月に、獅子舞とともに「みの家」を訪れた寂聴さん。
みの家(お茶屋)
京都市東山区末吉町 94(紹介者が必要となります)
六曜社珈琲店(地下店 COFFEE & BAR)
寂聴さんは26 歳の時、夫と長女を残し出奔。京都に暮らした頃、同人誌の仲間と訪れたお気に入りの喫茶店が「六曜社」だった。「20年近く前、寂聴さんが袈裟姿で突然みえて、お酒を差し入れてくださったんです」(店主のオクノ修さん)。青春の日々が、ふとよぎったのだろうか。お店はコーヒーの香りと。当時の寂聴さんのような若い人たちで活気に満ちている。六曜社は1950年に創業。注文ごとに自家焙煎のハンドピックの豆を挽き、静かにコーヒーを淹れる店主の姿を見ているだけで、気持ちが落ち着いていく。地下では18:00からは喫茶とともに気軽にウィスキーを楽しむこともできる。自家製ドーナツ(イートインのみ)など自家製のお菓子も人気で、こちらは正午からの提供。
六曜社珈琲店(地下店 COFFEE & BAR)
TEL 075-241-3026
京都市中京区河原町三条下ル東側
水曜休み
一階店8:30~22:30(L.O22:00)正午まで禁煙
地下店12:00~23:00(L.O.22:30)終日禁煙
京阪三条駅、阪急河原町駅、地下鉄東西線市役所前、三条駅から各徒歩5分。
市バス、京都バス、京阪バス三条河原町停留所より各徒歩2分