「豆腐料理かわしま」の至極の朝ごはん~唐津「土の恵み」を守り継ぐ-3
JR唐津駅からほど近い京町商店街の一角に店を構える「川島豆腐店」は、寛政年間に創業以来、約200年もの間、地元の人々に愛されてきた豆腐店だ。唐津城の城下町として栄えた当時、唐津城の藩主にもこちらの豆腐が献上されていたという歴史ある一面と、先代が考案し、後に日本全国に広まったという「ざる豆腐発祥の店」という2つの顔を持つ。
温かなざる豆腐で旅先の朝が始まる
10代目を務める川島広史さんは、「由緒あるこの地に200年続く店を継いだ者としての責任を日々感じています。ただ、守り続けていくことと時代に合わせて変えていくべきこと、そのどちらも大切だと私は思っているんです」と話してくれた。
併設される「豆腐料理かわしま」で出される朝のコース料理では、豆腐にだし汁と麦粥がかかったうずみ豆腐や作りたてのざる豆腐、もっちり大きな厚揚げ、季節の焼き魚に豆乳プリンのデザートまでを堪能することができる。昼と夜は本格会席が提供される老舗の豆腐料理店で始まる旅先の朝が、なんとも贅沢な時間になることは想像に難くないだろう。
唐津焼も置かれた落ち着いた雰囲気の店内はカウンターのみ全8席。朝9時からのメニューは全11品3,300円の朝食コースの他に2,200円、2,700円のコースが。地元産の大豆「ふくゆたか」を使用した名物のざる豆腐は、温かなうちに大きなざるからすくって提供される。濃厚な大豆の甘さが格別だ。
豆腐料理かわしま
佐賀県唐津市京町1775
TEL:0955-72-2423
https://www.zarudoufu.co.jp/
撮影:yOU
取材&文:小嶋美樹