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「隆太窯」人が集まる場と器に憧れて~唐津「土の恵み」を守り継ぐ-2

「隆太窯」人が集まる場と器に憧れて~唐津「土の恵み」を守り継ぐ-2

TRAVEL 2023.11 唐津特集

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唐津焼を代表する窯元のひとつである「隆太窯」は、人間国宝・十二代中里太郎右衛門(なかざとたろうえもん)氏の五男として生まれた健太さんの祖父・中里隆さんが1970年代に開いた窯元で、現在は息子の太亀(たき)さんと孫の健太さんも加わり、3世代で窯を守っている。

穏やかな空気が漂う作陶場

太亀さんと健太さんは、親子といえども師匠と弟子の間柄。そこにはピリリとした緊張感があるのかと思いきや、2人の間には穏やかな空気が流れる。そのことを健太さんに尋ねると、「父や祖父とは気軽によく話しますね。仕事のスケジュールなどをお互いに相談し合うことも少なくありません」と教えてくれた。

「3人は作風も性格も違っていて。祖父は、ダイナミックで感性のままに手を動かすタイプ。父は反対によく考え、使う人の気持ちに寄り添って制作する人。僕はまだまだ及びません」。

親子3代の作品。右から、隆さん作「唐津南蛮向附(からつなんばんむこうづけ)」、健太さん作「白磁カップ&ソーサー」、太亀さん作「絵唐津二方向附(えがらつにほうむこうづけ)」
「隆太窯」の敷地内には作品を購入できるギャラリーも併設されている。

作品と料理のコラボ企画が開催されることも

ただ、中里家の男たちには、「食べることや呑むことが大好き」という共通点がある。「隆太窯」にプロの料理人を招き、美酒美食と器で客人をおもてなしする企画が開催されることもあるそう。焼き物を通して、集まった人々を笑顔にする。そんな祖父や父の背中に憧れた健太さんもまた、自身の作品と料理のコラボレーションイベントなどに意欲的だ。

午前の作陶を終えると「隆太窯」の器に盛られた母の手料理を家族そろっていただくのが日課。唐津焼には「作り手八分、使い手二分」といって、最後は使い手にゆだね、使ってみてこそ作品が完成を迎える、との考え方がある。「自分の器を実生活で使ってみることも大切なんです」と健太さん。この日は、赤キャベツとトマト、おくらのサラダや空心菜と砂肝の炒め物などが並んだ。

「焼き物の仕上がりは毎回、ひとつとして同じになりません。そこが難しくもあり、面白いんです」と笑顔で話してくれた健太さん。偉大なる祖父や父と肩を並べるその横顔は、あくまで自然体。余計な気負いなどないように見えた。

隆太窯

佐賀県唐津市見借4333-1
TEL:0955-74-3503
http://ryutagama.com/

GoogleMap

撮影:yOU
取材&文:小嶋美樹

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