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ブラジルという不思議の国 地球の裏側で出会った幸福の風景

ブラジルという不思議の国 地球の裏側で出会った幸福の風景

LIFE STYLE 旅の出会い

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旅先で出会う景色には、その土地の価値観が映ることがある。リオデジャネイロの海辺で私が見たのは、経済的な豊かさとは異なる幸福のかたちだった。強い日差しの下、家族と過ごす時間を心から楽しむ人々。その光景は、ブラジルという国の本質を静かに語っていた。

才人が旅先で出会った忘れえぬ光景を綴る。
今回はパリ、ニューヨーク、東京を拠点に長年、第一線で活躍するトップフォトグラファー

写真・案内人 田島一成

1968年、東京都生まれ。写真家・五味彬氏のアシスタントを経て独立後、89年からパリ、ニューヨークで活動。2002年から東京を拠点に、広告、ファッションを中心に、音楽系やTVコマーシャルにも活動の場を広げる。07年、13年ADC賞受賞。

ブラジル・リオデジャネイロ

2001年、私はマヨネーズのCMを撮影するために、ブラジルを訪問しました。この写真は、その仕事の合間に撮った、リオデジャネイロのビーチでのスナップ。海の向こうに見える空飛ぶ円盤のような建物は「ニテロイ現代美術館」です。

完成したCMは、その美術館をはじめ「ブラジリア大聖堂」など、彼(か)の国が生んだ“モダニズム建築の巨匠”オスカー・ニーマイヤーが手がけた近未来的な建築作品ばかりをひたすらに映し出した末に、最後は発射台に見立てた美術館から、マヨネーズが飛び立っていくというもの。なんともシュールで、不思議なCMでした。

そしてそれは、私自身のブラジルの印象にも通じるのです。

燦々(さんさん)と降り注ぐ日差しの下、荒々しい自然とレトロフューチャーな建物が混在する街に、老いも若きも、お金持ちもそうではない人たちも、等しくエネルギッシュなラテンの人々が暮らしている。ボサノバに代表されるような、さまざまな要素がまぜこぜになったミックスカルチャーの国――。それは地球の裏側の、じつに均一的な国から来た者の目には超現実な、不思議の国のように映ったのです。

写真のビーチは、決して裕福な人が集う場所ではありません。どちらかと言えば、自由になるお金なんて持ち合わせていない庶民が、苛烈(かれつ)な暑さを凌(しの)ぎに水浴びをする、そういう浜辺でした。それでも、不思議の国のビーチには、とても幸せそうな家族の笑顔が溢(あふ)れていたのです。

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