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夏だけ開かれるANAの季節運航便で利尻へ

夏だけ開かれるANAの季節運航便で利尻へ

LIFE STYLE 快適な空だけの旅

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一年のうち、ANAが利尻へ翼を伸ばすのは、夏のわずか4カ月だけ。その短い季節に開かれる空の道の先には、利尻富士を望む絶景と、この島ならではの空港風景が待っている。機窓を流れる景色に見入り、離着陸の一瞬一瞬を味わう。飛行機を目当てに始まった旅は、いつしか利尻という島そのものの豊かな魅力へと私を導いてくれた。

RISってどこだ?

ANAの国内線で一年のうち、わずか4カ月間だけの季節運航路線があるのをご存じだろうか。 

私が初めてこの路線に搭乗したのは、今から20年前のこと。機窓からの眺め、そしてこの路線独特の離着陸を純粋に楽しみたかったので、利尻空港に到着するなり再び同じ飛行機の折り返し便で新千歳空港へ戻った。空港に40分間の滞在、実際に空港の外へ出たのは10分少々。それでも充分すぎるほど満足したので、今回もそれでいいと思ったのだが、空港とその周辺を探索しようとすると、早くて次の便、つまりは翌日の出発便まで24時間も空いてしまうことになる。

たかが1泊といえばそれまでのことかもしれないが、少しでも長く飛行機の中で過ごしていたいと思う私にとっては苦行に近い時間だ。観光が自分の興味の対象外になって久しいこともあり、事前にガイドブックの類も手にすることはなかった。「おくのほそ道」の松尾芭蕉も、Google検索や、旅行ガイドも何もない時代、なんの予備知識もなかったからこそ、あの名作を生み出せたのだろう、などと自分をとりあえず正当化してみる。“旅”本来の忠実な実践とはこういうことを指すのだと。

先ずは、乗ってきた飛行機のお見送りだ。空港ターミナルビル2階の送迎デッキに出ると、圧巻の光景が広がっていた。雄大な利尻富士(利尻岳)がまるで“書き割り”のようにそびえ立ち、その前にポツンと飛行機、さらには『サザエさん』のエンディングのように一列になって搭乗客が乗り込んでいく様子は動くジオラマのようだ。グランドハンドリングのお見送り、グッバイウェイブを受けながら機体は滑走路へ向かう。

この空港では、飛行機のプッシュバックは行われない。通常、飛行機は着陸後ターミナルビルに向かって直角に進入、その後ボーディングブリッジが横付けされるのだが、この空港にはボーディングブリッジがない。飛行機が自走してエプロン内で90度回転、ターミナルビルに対して横向きに停止。出発時は、そのまま前に進み再び滑走路へと向かう。滑走路と並行した誘導路もないので、滑走路端で飛行機がUターンするのも見どころのひとつだ。この一連と、翌日お迎えの飛行機が降り立つシーンを送迎デッキで見られるだけで、大満足だ。


町の食堂で、キタムラサキウニをふんだんに使ったウニ丼、本格的なピザ窯がある店では、利尻昆布がトッピングされたピザを堪能。こってりと湯の花が沈殿した露天風呂も満喫した。これ以上は封印しておこう。旅の楽しみを奪いかねない。未到なら、利尻がこの夏のオススメ。           

〜つづく

イラストレーション/ソリマチアキラ

パラダイス 山元 | ぱらだいす やまもと

プロ搭乗客。 ANA ミリオンマイラー。音楽家。餃子レストラン「荻窪餃子 蔓餃苑」オーナーシェフ。著書に『読む餃子』、英語版・フランス語版餃子レシピ本『GYOZA』、『パラダイス山元の飛行機の乗り方』『なぜデキる男とモテる女は飛行機に乗るのか?』などがある。全国各地で開催中の「皮からつくる本気の餃子づくり教室」などの出演イベントの詳細は X(旧Twitter) で発信中。

X @mambon

パラダイス 山元  写真

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