ベトナムで最先端のバインミーを楽しむ ホイアンのライブ感にあふれる食
ショーを楽しんで外に出ると、すっかり夜のとばりが降りている。ホイアンで生まれ育ち、レストランや料理教室、ホテルなど15軒を展開する著名な料理研究家トリン・ディエム・ヴィさん(ミズ・ヴィ)を訪ねた。
 
            食堂を開いた両親を10歳から手伝い始めたというヴィさん。
「サイゴンのフランス学校で学んだ父から、文化や音楽、自由な考え方を教わったんです」
こうした影響もあって、後に出版する彼女の書籍には、多様性豊かなベトナム料理の文化、歴史、哲学が綴られている。
「ヴィズ・マーケット・レストラン」は、たくさんの屋台が集まったような造りで、蒸籠から湯気が立ち、野菜を刻むリズミカルな音が聴こえ、薪窯を使って蒸すホイアン名物のカオラウ麺の匂いが鼻をくすぐる。それは、彼女の代表的な料理のひとつ。もちもちとした麺に香ばしい豚肉と新鮮な野菜が添えられている。

「料理を作るプロセスを五感で感じてもらい、いいエネルギーを受け取ってもらうことを大切にしています。食べ物には魂が宿っていて、かけがえのない価値を食べる人にもたらすんです」

ランタンに彩られた世界遺産の街の活気は、夜遅くまで途切れることがない。通りという通りにシーフードやバインミーなどの屋台が出て、楽しませてくれる。ここでは食も街も、すべてがエンタテインメントなのだ。
Vy’s Market Restaurant(ヴィズ・マーケット・レストラン)
著書『Taste Vietnam: Beyond Taste』などで知られるミズ・ヴィのレストラン。バナナの花のサラダ、ホイアン名物麺カオラウ、表面をパリッと揚げたフエダイのマンゴーサラダ添えなど、華やかな料理の数々

フランス人で料理ジャーナリストのベノワ・シェニョーさんが、「ニョクマムが私を選んだ」と言うほどベトナムの調味料に惚れ、オリジナルレシピで製品化し販売。これを使ったデザート風バインミーは、甘くてふわふわサクサクの食感。中に、ニョクマムとレモン生クリームなどがたっぷり。ベノワさんの作る様子が面白いと動画で話題に。
 
            Chuben BanhMi (チューベン・バインミー)
ベンおじさんのバインミーを売る小さなカフェ。

ホイアンから車で40分の街ダナンで、週末の夜9時から5分だけ火を噴くドラゴン橋。火を噴いた後は水を吐き、観光客はびしょ濡れに。
 
            ベトナムへの翼
羽田空港(HND)または成田国際空港(NRT)からホーチミンシティ(SGN)までANA直行便で。または成田国際空港(NRT)からハノイ(HAN)までANA直行便をご利用ください。
取材・文 西元まり
撮影 西元譲二
コーディネート 勝恵美
編集 中野桜子
