ベトナムサーカス新時代!? Z世代、α世代が跳ね回る「ミステリアス・ランド」
ベトナムはいま、サーカスを自国の文化として大切にし、発信している。それは世界でも“サーカス芸術立国”といわれるほど。若者たちの躍動感あふれる身体表現、現代的な演出、そして、民族音楽がみごとに融合し、独自の世界を繰り広げる。なかでも、竹を幾何学的に美しく組み合わせて使う「バンブーサーカス」の舞台が有名だ。
一度見たら虜になる、そんなベトナムサーカスの舞台裏を覗いてみよう―。

サーカスといえば、やはりテントを思い浮かべる人も多いだろう。ホーチミンのジャーディン公園に立つテントに入ると、舞台と客席の近さに驚く。今年の旧正月のために始まったこのショー、あまりの人気ぶりに連日売り切れとなり、今も週末開催でロングランを続けている。

干ばつに苦しむ村を救おうと、ふたりの若者が伝説の5つの雨石を求めて旅をする。五行思想を根底に、火や水、光、木などをふんだんに使い、サーカス学校出身の若者たちが、極限の技に挑戦している。休憩を含む約2時間半、息をするのも忘れそうなほどの迫力だ。
6mほどもある石の巨人や水の妖精の人形が操り棒で動き、観客と触れ合う。最後にはなんと、水を張った舞台に観客席の子どもたちが飛び出てきて、泳ぎ回る。グエン・クオック・コン監督は、「長年大切にしてきたサーカス芸術に対する観客の認識を変える大挑戦です」と言う。

Mysterious Land(ミステリアス・ランド)
ホーチミン・シティ・アーツ・センターによる話題作。金土日及び祝日にジャーディン公園内テントで上演。国立サーカス学校出身者など若手が多数出演。

ダナンの新ショー Tien Sa(ティエン・サ)
ダナンのチュンヴォン劇場で2025年に開幕した公演。ダナン北東部ソンチャー半島の自然と文化をベースにした、妖精ティエンと青年サーの物語。トラン・クァン・ハオ芸術監督が7年かけて構想。バレエダンサーやサーカスアーティスト約45人が出演。
※ ダナンの常設公演「Tien Sa(ティエンサ)」は、劇場側の都合により、現在休演中です。また、いずれの公演も、掲載情報は予告なく変更される場合がございますので、最新情報は必ず公式サイトをご確認ください。
ベトナムへの翼
羽田空港(HND)または成田国際空港(NRT)からホーチミンシティ(SGN)までANA直行便で。または成田国際空港(NRT)からハノイ(HAN)までANA直行便をご利用ください。
取材・文 西元まり
撮影 西元譲二
コーディネート 勝恵美
編集 中野桜子
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