ソウルおしゃれカフェ 韓屋や劇場…歴史と今が融合した「ニュートロ」がトレンド
「ニュートロ」がブーム 伝統的建築物への回帰
ソウル市内では、1900年頃に建てられた歴史的に価値のある建築物を、カフェとして再活用する動きが活発化している。スクラップアンドビルドを繰り返し、店の入れ替わりが激しいこの近代的な街に暮らす人々にとって、古くからある建物は、ロマンを感じさせるものなのだろう。
瓦屋根の家屋である「韓屋」だけでなく、レンガ造りの雑居ビル、そして劇場まで、再活用されている建物の種類は幅広い。伝統的な建物を現代的に解釈したものは、新しく、かつレトロだとして「ニュートロ」と呼ばれ、トレンドにもなっている。
過去と現代がほどよくミックスされた店に立ち寄れば、ソウルの新たな魅力に気づくだろう。
【コーヒー韓薬房】細い路地を入った先にある重厚感あふれるカフェ
「コーヒー韓薬房」があるのは、朝鮮王朝時代の有名な医師が勤務していた治療院の跡地。再開発エリアに指定されており、あと数年で、取り壊されてしまう可能性があるそうだ。
話題の「ニュートロ」を最も強く感じられるエリア「乙支路」の細い路地にある。「ヘミンソ」と呼ばれる、庶民のためにつくられた治療院の建物を再利用している店内には、当時使われていた薬棚も。一歩足を踏み入れるとタイムスリップしたような感覚に。
一番人気は、苦みがしっかりと感じられるブレンドコーヒー。アイスコーヒーを選ぶとクラッシュした氷にコーヒーを注いでくれる。
커피한약방(コーヒー韓薬房)
【STARBUCKS】世界的チェーン店と韓国の伝統との融合
ソウルの台所として愛される最大の市場「京東市場」に1960年ごろ建てられ、その後廃墟となっていた劇場をリノベーション。庶民的な市場と、この店の洗練された雰囲気のギャップに驚くことだろう。
スターバックスに訪れる若者により、市場に活気が増しており、よい相乗効果が生まれているそうだ。劇場の段差を生かした席に座って、オリジナルメニューを堪能しよう。
스타벅스경동1960점(STARBUCKS Gyeongdong 1960)
【珈琲島南大門市場店】伝統に西洋文化が融合した「近代」の始まりがモチーフ
1910年頃に建てられたレンガ造りの建物を活用。柱や屋根は当時のものをそのまま利用している。店内は開花期(1876年の開港から1910年の韓国併合までの期間のこと)がモチーフ。
1日かけてじっくりと抽出したミルクティーは、是枝裕和監督のお気に入りだそうだ。コーヒーは、「毎日でも飲めるような日常の味になるように」と飲みやすさを追求している。
가베도남대문시장점(珈琲島南大門市場店)
写真 平松市聖
取材・文・編集 高田真莉絵
コーディネート Shinhae Song(TANO International)、長嶺典代
ソウルへの翼
東京国際空港(羽田空港/HND)から金浦国際空港(GMP)までANA直行便で約2時間15分。
空港から街の中心地までは空港鉄道A’REXまたは地下鉄で15〜30分。
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