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GPSが役に立たない街モロッコ・メディナ “迷いの旅”で見つける豊かさ

GPSが役に立たない街モロッコ・メディナ “迷いの旅”で見つける豊かさ

TRAVEL 2026.01 モロッコ特集

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フェズ、シャウエン、マラケシュ、エッサウィラ──モロッコに点在するメディナと呼ばれる旧市街。その名を口にするだけで、どこか遠い記憶が揺らぐ。ひとたび足を踏み入れれば、細い路地が静かに絡み合う迷宮。曲がるたびに光の角度が変わり、壁の色がわずかに揺れる。 

迷って立ち止まるこちらに、地元の人は穏やかに言う。「ここで迷うのは当たり前」。 

古い路地に残る生活の匂い、ひっそりと佇む工房、香辛料の店。これらは目的地を追うのではなく、迷いながら歩くことで開いていく風景。メディナでは迷子になった者こそ出会える、静かな日常の断片もある。

ところで、メディナの中ではGPSがほとんど役に立たない。おそらく高い壁と複雑な路地が、最新の技術を軽やかにかわしてしまうのだろう。しかしそれでいいのだ。地図アプリが届かなくなった瞬間に、旅人はようやく街と向き合うことになる。

そのとき頼りになるのは、人の声。 
困ったこちらの表情を見て「どこへ行きたい?」と声をかけてくれる人が、メディナにおけるGPS。案内された先がその人の店だった──そんな小さな“落とし穴”も、この街ではどこか微笑ましく感じてしまうと同時に、迷うことが旅を少しだけ豊かにしてくれることを知る。

メディナの中に泊まるなら、多くの場合、宿はリアドという選択となる。リアドとはかつての邸宅を宿泊施設にした、そんなスタイルの宿のこと。中庭を囲むように部屋が並び、タイルの装飾が光を受けて静かに輝く。アーチ型の窓が風を招き入れ、外の喧騒とは別の時間が流れる。

ただし、夏になれば外気温が連日40度を超えるというのに、エアコンのない部屋がほとんど。扇風機すらない部屋もある。厚い壁が外気を遮り、風が中庭を抜けていく──「昔ながらの知恵が息づく空間」…と謳ってはいるものの、昨今の温暖化による熱風は、しばしば昔ながらの壁を抜けて部屋にやってくる。日本から来た身には、汗ばむほどの暑さの中、寝苦しい夜を送ることになるのも旅の思い出なのか? 

GPSもエアコンもない。便利さを手放したときにだけ見えてくる、土地の呼吸。 

迷路の路地では頼りにならないGPSも、暑さの中でエアコンのない空間も含めてすべてがメディナの風景。不便さを受け入れた瞬間、旅はようやく旅として“動き”始めることもある。過去の知恵と現代の便利さ。そのあいだに生まれる静かな余白こそ、メディナが旅人にそっと手渡す贈り物なのかもしれない。

写真 宮澤正明 
取材・文 山下マヌー

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モロッコのおすすめホテル

  • ハイアット リージェンシー カサブランカ (Hyatt Regency Casablanca)

    メディナの旧市街にあり、モロッコ料理を楽しめるレストランやカフェが充実しています。フィットネスセンターやスパなども楽しむことができます。
    TEL : +212 5224-31234
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  • ラディソン ブルー ホテル カサブランカ シティ センター (Radisson Blu Hotel Casablanca City Center)

    モハメッド ディウーリ駅が近くにあり人気観光スポットへのアクセスが抜群です。ルーフトップバーとレストランからは街の景色を一望できます。
    TEL : +212 5220-80808
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  • カサブランカ・マリオット・ホテル (Casablanca Marriott Hotel)

    カサブランカの中心部に位置する5つ星ホテルです。ハッサン 2 世モスクから車でわずか5分圏内でアクセス抜群です。
    TEL : +212 5224-39494
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