テディベアの故郷〝創業142年〟シュタイフ本社を訪ねた(ギーンゲン)〜ドイツの優しさに触れる旅vol.2
“サステナブル”素材で作られたテディベアも誕生! 「テディベアが作られる工程を見て、アーティストとしてインスピレーションが広がりました」(案内人・伊東楓)
「こどもには最高のものこそふさわしい」(創業者マルガレーテ・シュタイフの言葉)。テディベア誕生から今年120年を迎えたドイツの最高級ぬいぐるみブランド、シュタイフ社。創業以来、高い品質と安全性にこだわった商品作りを続けてきた同社は近年、リサイクル素材や天然素材を使用したテディベアシリーズ「テディーズ フォー トゥモロー」を展開している。
「リサイクルされたペット素材をはじめ、リネン、竹、再生紙、ヘンプ(麻)などの環境に優しい、サステナブルな観点から選んだ天然素材が主体です。表面の生地だけではなく、詰め物にもリサイクルされたペットボトル素材を使用しています。2年前からスタートした本シリーズは、ベアだけではなく、ゾウやパンダなどの動物コレクションも増えています」
と、デザイン室長のガブリエーレ・ゼーガーさん。今年は120周年を記念したシュタイフ初のテディベアファミリーを発売。秋冬コレクションには、クリスマスバージョンもおすすめだという。
「テディベアファミリーのベンとミラと、クリスマスにプレゼントされた子犬も新しい家族の一員として登場します。ネズミをモチーフにした〝サンタマウス〟のオーナメントは根強い人気です」
本社のあるギーンゲンは、街の至るところにクマの人形や銅像が立つ。100年以上にわたって世界中から愛されるシュタイフ社の存続の秘訣とは?
「品質の高さ、細やかさ、そして手作り、この3つです。社員たちには、歴史と伝統を重んじつつ、新しいものを取り入れることの大切さを教育しています。シュタイフのテディベアは一生の友達で、ともに人生を歩んでくれる。だからこそ、常に最高の品質を目指すことが大切だと思っています」
シュタイフ初のファミリーシリーズが登場
2022年春夏コレクションのテディベアファミリー。洋服ラインも豊富。
Steiff Museum
1880年、南ドイツ・ギーンゲンで創業したシュタイフ社は、1902年に世界初のクマのぬいぐるみ「テディベア」を誕生させた。2005年には、シュタイフ社創業125年を記念して、本社の隣に「シュタイフミュージアム」をオープン。歴代のシュタイフ製品の展示、製造工程のデモンストレーションのほか、テディベア誕生から世界中で愛されるようになるまでの歴史をたどる体験型ミュージアムとして人気を博している。