アーティストが語る「バイロンベイは自然と一体になれる場所」
オーストラリアの生活に根付いているという「スローライフ」の概念。「心配だからどうしよう」と慌てる=ファストではなく、「なんとかなる」とゆっくり=スローに考える。これはなにも自然の中に住む人だけでなく、大都市でも当たり前のマインドなのだという。オーストラリア最東端に位置しており、スローライフが定着している街であるバイロンベイに住み創作を続けるアーティストのティファニーさんに話を聞いた。
自然と一体になれることが、アーティストにとって大切
「バイロンベイ」という名前から海だけの街と思われがちだが、そうではない。この地のアーティストの多くが住むのが、ヒンターランドと呼ばれるマウンテンサイドのエリア。そこに住むことが与えてくれる刺激について聞くため、森の中に暮らし、庭や家の自然をテーマに作品を描き続けるアーティスト、ティファニーさんを訪ねた。
「都会の環境に疲れ、家族でメルボルンからやってきたのが2004年です。サーフカルチャーやファーム、ヒッピーライフ、ホリデーを過ごす場所と、それぞれの側面がある魅力的な場所としてバイロンベイが知られ始めた頃でした。ここに暮らしている人の多くが、外から来ている人。みんながそれぞれのカルチャーを背負って来ているので、溶け込むには正直時間がかかりました。ただ、知り合う人みんなが面白くてユニークで。そういう出会いを求め、ここに人が集まってくるのだと思うようになりました」
「バイロンベイは自然と一体になれる場所なので、インスパイアされることも多いんです。それはアーティストにとってすごく大切なこと。当初はこの辺りの湿地帯の絵が多かったのですが、森の中に移り住んでからは自然の中のすべてのものがつながっているような作風に変わりました。私はアーティストであると同時に、ガーデナー(庭師)でもあるのですが、その楽しさや、自然との触れ合いに感じ始めている興味もアートに影響していると思います」
ティファニーさんのバイロンベイラブにあふれた作品は、こちらのサイトから閲覧&購入が可能。
www.tiffanykingstonart.com
写真:高砂淳二 コーディネーション:ジェイ・エイ・リンクス 取材&文:山下マヌー 編集:山下美咲