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横浜の“買弁”を知っていますか? 西洋と日本をつないだ文化の通訳者たち

横浜の“買弁”を知っていますか? 西洋と日本をつないだ文化の通訳者たち

TRAVEL 2025.12 横浜特集

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西洋文化と日本との融合を果たした”第三の存在”

横浜は「港町=異国文化の玄関口」というステレオタイプを超え、地政と歴史の中で育まれた多文化共生の都市。

多文化を結んできた一つに春節がある。春節で舞う獅子や龍というアイコンを通じ、海の向こうから運ばれてきた文化と日本の文化、また人々の気持ちと心を一つにしてきた。異国の文化が根を張り、祝祭が都市の心臓を打つ町――横浜を歩く。

「獅子が舞う町」横浜は、西洋と日本の接点であったと同時に、 その間をつないだ”第三の存在”ーー中国から渡ってきた人々の記憶を持つ町でもある。1859年に横浜が開港すると、欧米諸国の商館が並ぶ居留地が形成され、日本と西洋の間に新たな交流が生まれた。

しかし、言語も習慣も異なる両者の間を取り持ったのは、 香港や上海で経験を積んだ中国人たち。彼らは「買弁(バイベン)」と呼ばれ、通訳者、交渉人、 料理人、職人として居留地の住人の生活を支えた。 その存在は、横浜が単なる西洋の飛び地ではなく、文化が交差する”実験都市”の側面を持っていたことを物語る。

やがて彼らは、居留地の外縁に自らの文化圏を築き始める。関帝廟が建てられ獅子舞が町を、人々を鼓舞した。中華街は、単なる中国人街ではなく、西洋と日本の文化が交差する”緩衝地帯”として機能。獅子舞は、その象徴でもあったのだ。台湾系の獅子も大陸系の獅子も、彼らが舞う場所は同じーー横浜という都市の歴史の上だ。獅子が舞うたびに町は彩られ、 文化の境界は曖昧になり、人々の思いが交差していく。ここには、文化の通訳者たちがいて、獅子もその一端を担っている。

中華文化を象徴する建築のひとつ、横浜中華街の媽祖廟(写真上)。起源は2006年、海の守護神・媽祖を祀るために建立されたもので、 航海安全を願う華僑の信仰が息づく。対する山手地区、港の見える丘公園の入口に佇む旧イギリス領事館(現・横浜市イギリス館/写真下)は1937年竣工。昭和初期の外交施設として、西洋の近代建築を今に伝える。異なる文化が交差し、共存する横浜の都市風景を象徴している。

写真 野澤亘伸 
取材・文 山下マヌー 
コーディネーション 安東千幸 
編集 小嶋美樹

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