沖縄の「ハッピーモア市場」に集まる有機野菜 土から始まる沖縄の医食同源
工芸、食、芸能、祭事……独自の文化が育まれ継承されている沖縄。豊かな海=「美ら海」に囲まれた沖縄には、同時に豊かな土壌も広がっていて、やちむん、赤瓦、泡盛、野菜など、その土が育んできた文化や産物は魅力に溢れている。
「沖縄のテロワールは、自分で探さなければ見つからない」(小島圭史シェフ)。
沖縄の風土と真摯に向き合い、時には折り合いをつけながらそれを知恵として寄り添う人々の現場を訪ねて辿り着いた、未来につながるテロワールとは。
野菜と土 塊がゴロゴロ入った土に最初は戸惑った
菜園を営む川越さんは、移住当初に塊がゴロゴロ入った畑の土を目の当たりにして戸惑ったそうだ。

夏にソルゴー(緑肥作物)を栽培し、有機肥料として土にすき込み土を育てている。
ジャーガルという粘土質の土で、石のように硬い塊や雨後の粘度に悩まされながら試行錯誤。緑肥を作り、土に有機物を入れて柔らかくする農法を取り入れ、沖縄ではあまり見かけない野菜を中心に年間10種類ほどを栽培する。今後は種類を増やしていく予定だ。

ビニールハウスではナス、スナップエンドウの苗が順調に育っていた。
かわごし有機菜園 川越 隼(かわごし・じゅん)さん
香川県で有機農業を学んだ後、13年前に沖縄に移住。中頭郡西原町で有機菜園を経営。2015年に有機JAS取得。
川越さんはじめ多くの生産者が信頼を置いているのが農産物直売所「ハッピーモア市場」。
野菜や果物の袋には栽培期間中の農薬と化学肥料の使用状況がひと目でわかるカラーシールが貼られ、農産物の特徴やおすすめの調理法が書かれたポップも楽しい。

地元の人々だけでなく観光客にも人気だ。沖縄の食文化の根幹「医食同源」を次世代につなぐプラットフォームである。


ハッピーモア市場tropical店
沖縄県宜野湾市大山7-1350-81
撮影 大湾朝太郎
取材・文 齊藤素子 編集 川原田朝雄