沖縄のサウナがアツい 那覇のルーフトップサウナから北部の大自然まで【サウナ4選】
サウナは寒い地方で盛んな温浴のイメージを持っているかたも多いのではないだろうか。もともと雪国で生まれた文化なので長年雪国の楽しみとされてきた。
ところが今、沖縄のサウナがアツい!
沖縄の大自然にしか作り出せない唯一無二のサウナが注目を集めているというのだ。2023年のサウナシュランには、沖縄北部にオープンしたての「亜熱帯サウナ」が堂々のランクイン。
シーズンオフの沖縄で自然を満喫するもよし、暑いシーズンの沖縄で灼熱のサウナを味わうもよし。ひとたび広大な大森林に包み込まれると、まだ見ぬ整いの世界が待っているのだ。
「ホテル・アンドルームス那覇ポート」“UMISOKO SAUNA”
那覇へ宿泊する際に是非訪れたいのが、「ホテル・アンドルームス那覇ポート」の“UMISOKO SAUNA”。那覇空港より車で約7分という好立地。2022年にオープンしたホテルで、ルーフトッププール&サウナは宿泊者なら利用が可能。ルーフトッププールにダイブできるなんて、なんとも沖縄らしいリゾートサウナである。
ホテル内にはルーフトップの“UMISOKO SAUNA”、貸切個室サウナ(室内・要予約)、さらにはサウナ付きプレミアム客室も2023年にオープン。“UMISOKO SAUNA”は「ととのえ親方」ことTTNE松尾大さん監修で、リピーターのサウナーが全国から集まる。
早速“UMISOKO SAUNA”へ。その名の通り、まるで海底にいるかのようなブルーの照明と、波をイメージしたウェーブが用いられた内装。4段の造りで、かなりの広さがあり開放感に浸れる。BGMは心地良い波の音で、まさに沖縄に来た感覚をじんわり味わえる。15分に一回のアロマオートロウリュで、「HARVIA」製サウナストーブも十分な大きさ。
体が熱くなったところで、外に出ると青い空がお出迎え。シャワーを浴び、プールを横目に奥にあるジャグジーへ。4月~10月は16.5℃に保たれ、暑い沖縄でもキンキンの水風呂で整えるのがなんとも嬉しい!涼しい季節なら、広いプールにダイブするのも気持ちがいい。ドリンクコーナーに「さんぴん茶」やアイスコーヒーのサービスがあるのも好評だ。
さらにこのサウナの魅力の一つは、定期的に熱波師によるアウフグースデーを設けていること。この日は幸運なことに、熱波師「かっきー」さん、東京から「HIKARI」さんが熱波を送りにいらしていて、おいしいアウフグースをいただくことができた。那覇でアウフグースを味わえるのも貴重。出張や旅の疲れをリセットできる那覇のサウナ付き宿は、筆者も常連のリピーターだ。
「サウナセンター」所属のHIKARIさん。しなやかなタオルさばきにうっとりする。
さらにホテル最上階に2023年末にオープンしたサウナ付プレミアルームを来訪した。サウナ、水風呂、内気浴が自分だけの空間で24時間堪能できるプライベート空間がすごすぎると話題。
ホテルの客室コンセプト「シンプル&スタイリッシュ」をベースに、高い天井や50平方メートルの広々とした空間、そして間接照明やブラインドの大きさにより、開放的な造りが演出される。
サウナは2段で十分な広さがあり、セルフロウリュも自分のタイミングで。水風呂の導線も完璧で、快適な空調の室内でインフィニティチェアにもたれるとしよう。1日1室のみの特別な空間をぜひ体験して。
ホテル・アンドルームス那覇ポート
〒900-0036 沖縄県那覇市西2丁目23−1
098-861-8111 ※サウナ利用は宿泊者専用
https://www.hotel-androoms.com/anp/
Instagram @androoms_nahaport
GoMe(ゴーミー)の世界初!アースバッグサウナ
那覇空港から車を走らせ沖縄県国頭郡恩納村に位置するGoMe(ゴーミー)へ。カフェとバー、ホステル、そしてサウナが一体化した「ゴーミー」。サウナ利用は貸切制で予約が必要。
何やら変わった形状が特徴的なサウナで、沖縄のサウナーたちのSNSで一際目を惹く。その名も「THE ZEN(ザ・ゼン)」。
壁面には足場がついていて、なんと頂上で整えるのだ。見た目以上に実際高い!高所恐怖症の人はご注意。
早速、中に入ってみる。中は高さが約3メートルあり、広く感じる。かまくらのような、はたまた窯でも彷彿とさせる洞窟状になっている。そして沖縄では珍しい、薪ストーブ!この薪は、廃材を使っているそう。ロウリュは龍神様からの湧き水に、アロマを入れたもの。ロウリュをかけると、力強い熱さがドーム内に立ち込める。このサウナ、見た目がユニークなだけなく、熱さの質が他とは違うのだ。これは誰もが汗のかき方ですぐに実感できる。聞けば、世界初の「アースバッグサウナ」だという。
ところで、アースバッグサウナとは何か。
「アースバッグ工法」とは、袋に混合土を詰めて壁状に積み上げ、漆喰等を塗る建築工法。「土のサウナ」ということになる。アースバッグ工法は、アメリカのカリフォルニア州から日本にやってきた新しい工法で、災害にも強くエコで、通常は、壁、階段、塀、ベンチなどに用いられている。一般的なコンクリートの約4倍の強度を持つそう。
これを使ってサウナを作ろう!という試みを成功させた第一人者がGoMeなのだ。前例がなく先が見えないなか物事を遂行するのはすばらしい。結果、ハンドメイドで完成させたサウナは大成功。完成したサウナを専門の人に見せると、アースバッグドームの構造上、遠赤外線効果による輻射熱(ふくしゃねつ)が通常の何十倍にもなっていることがわかった。高い天井に舞い上がった蒸気がじっとりと降りてくるとともに、自分の体とは思えないほど気持ちのいい汗を感じる。
水風呂もアースバッグ。海、森に囲まれてゆらゆらと浮いていると時を忘れそう。
さらに嬉しいのが、サウナのあとは、野外でBBQもできる。予約の際に申し込めば、手ぶらでOK。アースバッグサウナ×大自然×BBQはまさに天国。焚き火を囲むこともでき、沈みゆく夕陽を眺めながら沖縄北部の良さを噛みしめる。
焼きたての本格ピザも絶品!
この「大人のアジト」は、「遊び愛」に溢れた8名によって造られた。よく、サウナーの間では「サウナをみれば作った人のサウナ愛がわかる」と言うが、まさにゴーミーはそれの集大成である。
ここを作った8人のリーダーである松井友和さんと、東京と沖縄を行き来しながら運営を支える除村亮さん。昭和53年生まれの仲間達で築き上げられた、53=ゴーミーというわけだ。
GoMe(ゴーミー)
サウナシュラン2023に選出!やんばるの森をダイレクトに感じる「亜熱帯サウナ」
2023年にオープンし、サウナシュラン2023では堂々のBEST8に選出された「亜熱帯サウナ」。山を丸ごとサウナ施設にした、自然をダイレクトに味わえるサウナで、沖縄北部の国頭郡本部町、深い森の奥に位置する。なんとオーナーの坂本さんによる手作りの施設である。
坂本さんの長年の夢を叶えたサウナ作りへの想いと、大自然サウナのすばらしさを、沖縄のバンドグループであり世界自然遺産大使であるHYのメンバーと体験してきた。
こちらの記事で詳しく
亜熱帯サウナ
空中で整い、すべり台で夢の川ダイブ!「ツリーフルツリーハウス」
やんばるの森の奥深くに、まるで絵本から飛び出してきたかのような「ツリーハウス」がそびえ立つ。
Treeful Treehouse(ツリーフルツリーハウス)は、木の上に泊まれるラグジュアリーホテル。「自然とともに生きる」コンセプトがちりばめられたすばらしい建築とサービスが揃い、そのうちの一つに、ここでのサウナ体験がある。
ツリーフルツリーハウスの建築は自然を一切壊さずに「共存」し、自然に恩返しをしている感覚になりながら、またここに滞在することで我々が自然にたくさんの恵みを与えてもらっていることに気づかされる。
木の上に作られた透明のサウナに入ると、自分の汗や呼吸を思いきり感じ、自然の中に自分が浮遊しているかの感覚に陥る。自然に感謝し、心身が浄化されたところで最後は下の川へすべり台でドボン!子ども心をくすぐられない人はいないであろう。
沖縄のバンドグループであり世界自然遺産大使であるHYのメンバーとツリーフルツリーハウスを訪れ、そのすばらしさに触れた。
こちらの記事で詳しく
Treeful Treehouse Sustainable Resort(ツリーフルツリーハウスサステイナブルリゾート)
案内人 HY
2000年結成のミクスチャーバンド。新里英之(Vo&Gt)、名嘉俊(Dr)、許田信介(Ba)、仲宗根泉(Key&Vo)の4名全員が沖縄県うるま市出身。「HY」は、彼らの地元・東屋慶名(Higashi Yakena)の地名が由来。2003年に2ndアルバム『Street Story』をリリースすると、インディーズとしては史上初のオリコンチャート初登場&4週連続1位という偉業を達成し、ミリオンセラーに。以来、多くのアルバムをリリース。国内ツアーに力を入れながら、カナダ、アメリカの主要8都市、台湾、韓国でもライブを実施。沖縄の自然を守る活動にも力を入れ、2021年には地元うるま市初の観光大使となり、沖縄県世界自然遺産大使に任命される。
撮影 G-KEN 中野桜子
取材・文・編集 中野桜子