新潟伝統工芸 技と魂が宿る鎚起銅器 金鎚が刻んできた200年
一鎚一鎚、ときを打つ。先人の知恵と技術を絶やさぬ金鎚

カンカンカンキンキンキンゴンゴン……200年絶えず鳴り響く鎚音(つちおと)。
新潟県の無形文化財に指定される鎚起銅器(ついきどうき)とは、一枚の銅板を金鎚で打ち起こし器を形づくる伝統技法。桶ややかんなど日用の道具として愛されたその技術は、いまや贈り物にも喜ばれる工芸品として世界に注目される。
築100年の古民家の畳に腰かけ銅板と向き合う職人たちの眼差しには、先人から受け継いだ技を自分のものにしようとする真剣さが滲みでる。銅器は使い手に寄り添い、年月とともに艶を増し色を深め唯一無二の存在へと育つ。職人の匙加減と使い手の使い方で魂が宿るのだ。
玉川堂は世界中からの見学客を喜んで迎え、全国から集う若手職人を積極的に受け入れる。この伝統を絶やさぬように、今日も鎚音を響かせる。


銅を叩いて伸ばすのではなく、叩きながら縮めていく手法。縮めるのも丸めるのも職人の勘一つ。一度叩くと銅は硬くなるので、製作途中に火炉の中に銅器を入れ柔らかくする。最後に玉川堂独自の着色を施す。
カップやお猪口、花器など様々なラインナップがある。人気なのはやはりやかん。

玉川堂
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撮影 金子斗夢
取材・文・編集 中野桜子
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