「雲丹は出さない」新潟の恵みにこだわる唯一無二の鮨店・登喜和鮨の挑戦
鮨屋のこうでなきゃいけない、は排除。でも新潟でないといけない
午前3時の市場。「登喜和(ときわ)鮨」の大将・小林宏輔(こばやしこうすけ)さんの魚に向ける瞳が輝く。
仕入れにルールはなく、「鮨屋の型にはめるのではなく、新潟にしかできない型を作りたい。これだけやっていても見たことのない魚が並ぶ。それだけ新潟には魅力がある」と語る。



原点は江戸前寿司の精神。「限られた食材だからこそ生まれる昔の東京の職人の工夫を、新潟で生かしたかった。だから、例えば新潟で獲れない雲丹(うに)などは出さない。ここでしかできないことをやりたい」と言い切る。唯一決めているのは、地場のものだけを使うこと。
「鮨は自由。シャリと魚さえあれば一口で勝負できるんです。その一貫に海も里山も新潟のすべてを詰め込みたい」。その言葉はめくるめく鮨の輝きとなり、カウンターはまるで劇場のように、客の胸に深く刻まれる食体験を与える。
枠にとらわれず素材と対話する3代目・宏輔さん。先代のいいところを継ぎつつ独自のスタイルに変え、予約のとれない名店に。



登喜和鮨
Instagram @tokiwa_sushi_ ※新潟店、新発田本店の営業日をご確認のうえご予約ください
撮影 金子斗夢
取材・文・編集 中野桜子
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