ウミガメと出会える奇跡のサバニツアー 伊良部島の秘境に潜入
珊瑚を傷つけない木造船
「昔の人はこれで奄美まで行っていたんです」と語るのは、50年前に建造されたサバニ(かつて沖縄の島々で使われていた木造の帆船)を使い、宮古島と橋で繋がる伊良部島でエコツアーを行う蟹蔵の吉浜さん。「エンジン付きの船では入ることのできない、珊瑚が広がる浅瀬の海でも行くことができ、木造なので珊瑚に当たってもほとんど傷つけません」。
17エンドと呼ばれる滑走路から時折り聞こえる飛行機の音以外、波と風の音だけの静寂の中をサバニで漂う時間は、昔から変わらない。
「幼い頃の記憶の島の姿が変わっていくことに心を痛めて」このツアーを始めた吉浜さんにとっては「伊良部島の美しさと自然に触れる感動と幸せを多くの人に提供する」ことが唯一の願いだ。
音で魚やカメを驚かさぬよう無音の小型電動エンジンを取り付けたサバニ。実際にウミガメのほうから船に寄ってくることも。
吉浜さんの庭で採れたフルーツを秘密のビーチで食べたり、「世界一美味しいマングローブ蟹」を使った蟹コース料理、蟹パスタなどの提供も行う。