世界最大の柑橘「晩白柚」の故郷熊本 世界一の生産量を支える風土と情熱
土壌の豊かさがくれる熊本の大きな大きな恵み、「晩白柚(ばんぺいゆ)」。世界最大の柑橘といわれ、ギネスブックに登録されているほど。晩白柚の日本の生産量の96%を誇るのが熊本産だ。八代市の特産品として大切に育てられている。

森田果樹園の森田 光貴(もりた ひろき)さんは、八代市で若手の作り手。元々、祖父がみかんを栽培しているのを見て育ち、みかん栽培に憧れて農業を学び、継ぐことを決意したという。柑橘の中でも昔から好きだったという晩白柚に惚れ込み、晩白柚メインの農家にシフトした。上質な晩白柚を作り上げるため、最初は試行錯誤の日々だったという。晩白柚は人工授粉でないと実ができないため、手作業で受粉を行う。受粉には多品種を掛け合わせる必要があるので、研究や改良には終わりがない。1年をかけて作る森田さんの晩白柚愛が、今日も世界一を育み続ける。


収穫後はサイズを振り分けていよいよ出荷。旬は2月〜4月。地元の道の駅などでも購入することができる。作業は両親も一緒に。父はリタイア後に森田さんの農園を手伝い始めた。こうして家族で農業をできることが喜ばしいと森田さんは言う。
1920年頃、ベトナムから株が持ち込まれたことが日本での始まりとされるが、当時はほとんど普及することはなく、その後1930年代に改めて台湾から鹿児島に「白柚」の株が導入され、土壌や気候から最適な産地としてここ八代市に根付いたといわれる。まさにここにしかない土壌からの贈り物。大切に育てる農家さんと想いが通じ合っている。


森田果樹園
購入サイト https://moritakajyu.base.shop
Instagram @morita_kajyuen
撮影 神林環
コーディネート 鬼崎翔大
取材・文・編集 中野桜子
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