南関あげいなりをテイクアウトー南関あげを訪ねて熊本へ-5
いなり寿司といえば、甘辛く煮た袋状の油揚げの中にすし飯を詰めるのが一般的だが、南関あげいなりはそうではない。小さな俵型のすし飯に油揚げを帯のようにくるっと巻いたスタイルで、海苔の代わりに油揚げで巻いた細巻きのような佇まい。南関あげの老舗「塩山食品」の塩山治彦さんによると、昔から南関町や熊本市内にも南関あげいなりはあったものの、ブームになったのは福岡が最初で、その後東京でも人気となり、熊本では逆輸入のような形で注目されるようになったという。
ロールタイプのひと口いなり寿司
熊本の老舗百貨店「鶴屋」の地下に出店して43年。常に行列ができる巻き寿司の人気店「ぎおん」の「南関いなり」は、中に大根の甘酢漬けが巻いてあり、わさびを忍ばせているので清涼感たっぷり。ピリ辛のガリと甘いきゃらぶきがいい箸休めになり、あっという間に6個をペロリ。¥680
1971年に創業し、熊本市内のほか香港やニューヨークにも出店している「峰寿司」の「南関あげいなり」は、一日だしに漬け込んで味をしみこませた南関あげのジューシーさがたまらない。表面をバーナーで炙った「炙り南関あげいなり」の香ばしさは他にはない新鮮な味わい。共に¥1,000
もともとは茶碗蒸し専門店「茶碗蒸し本舗稲穂」で出していた南関あげいなりが人気となり、昨年専門店「稲穂 いなり屋」をオープン。キリっと酸の立った赤酢のすし飯とだしの旨みを含んだ南関あげが好相性。小ぶりのひと口サイズもうれしい。「特製生いなり(お土産用)」¥1,620
煮しめなどのおふくろの味が人気の「平家屋」が、2023年3月に阿蘇くまもと空港のリニューアルオープンと同時に出店。空港限定販売の「熊本旅いなり」は、赤酒を使った平家屋オリジナルのしょうゆで甘く煮つけた南関あげを使用。阿蘇や天草など熊本各地のその時期旬の食材を混ぜ込んだ6種類の味が楽しめる。¥1,650
南関あげいなりはひと口サイズで食べやすいので、小腹が空いたときのおやつや夜食、差し入れやお土産に。