クラフトビールを巡り、北海道を知る-1
最近よく目にする「クラフトビール」。普通のビールとは何が違うんだろう?
と疑問に思っている人も少なくないはず。大量生産とはまた違い、小さな醸造所でじっくりと作られたビールを「クラフトビール」と言う。
職人技(クラフトマンシップ)が込められているクラフトビールは、土地の風土や産物、
ブランドが持つ信念が色濃く反映され、個性豊か。ビールはこういうものだという概念を飛び越え、驚きに近い感動をもたらしてくれる。土地の風土や産物を生かした醸造だからこそ、その環境はとても重要に。それゆえに、自然が残り豊沃な土地が広がる北海道にクラフトビールのブルワリーが続々と増えてきているそう。
地域の特性を活かしているクラフトビールを楽しむことは、その土地を知ることに繋がり、それは広い北海道を旅することとも近しい。
「このビールがとても好きだから、この土地に足を運んでみよう」そんな風に旅が始まるのもまた一興。その土地で飲むとまた違った格別のおいしさが待っているに違いないから。
クラフトビールのブルワリー2箇所を巡る旅。
1軒目は「美深白樺ブルワリー」
町面積のほとんどが森林という美深町は、人口は約4000人ほどの小さな町。山に囲まれ、豪雪地帯でもある。冬はマイナス20℃を下回り、厳しい気候と言えるこの町に、2019年「美深白樺ブルワリー」が生まれた。
元々は松山農場の柳生さんが持つ肥料倉庫だった場所をブルワリーにリノベーション。柳生さんの「人が減っていく町は寂しいよね」という一言によって、クラフトビール造りが始まった。まず人材募集をかけ、高橋さんが代表に。東京から移住し、Hobo Brewingの川村さんに一から教わりながら、4年間試行錯誤を繰り返してきた。
「ここでしか飲めない、風味風土を感じるものを作るにはまず自分が美深らしさを知ることが必要不可欠でした。お店が閉まっていく現実の中で、自分たちの地産物に誇りを持ってもらえるものを作りたいと思っています」(高橋さん)
地産の白樺エキスを使い、地元農場が作る様々なホップを積極的に試し、地元のクラフトビールたちが協力し合ってブルワリーでイベントと積極的な歩み。誇れる自分たちらしさとは?を追求し続けている。
ブルワリーでタップから注がれるビールはまた格別。キラキラとゴールドに光るビールを手にして誰もが笑顔に。この日は6種類。全種類飲み比べしたくなるはず。「季節限定ビールも現れます」と高橋さん。右から、WHITE LINES、トイタピウカ、Wild Sheep Chase。
美深白樺ブルワリー
北海道中川郡美深町大通北4丁目9番地
TEL:01656-8-7123
https://www.bifukashirakaba-brewery.site/
取材、編集/柿本真希(Lita)撮影/鈴木大樹