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老舗で荻のシンボルを丸ごと味わう~夏みかん物語2

老舗で荻のシンボルを丸ごと味わう~夏みかん物語2

TRAVEL 2023.06 萩特集

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 山口県の北部に位置する萩といえば、吉田松陰、高杉晋作、そして伊藤博文に代表される長州ファイブなど、幕末から明治維新、さらには明治期にかけて活躍した偉人のイメージが強い。明治維新からほどなく、萩では日本で初めて夏みかんの経済栽培をスタート。今でも萩のまちを歩けば、いたるところに夏みかんがたわわに実り、5月上旬には白い花を咲かせて、萩のまち全体が甘く爽やかな香りに包まれる。萩は夏みかんのまちなのだ。

明治維新を背景にした物語に歴史のロマンを感じる、萩名物の夏みかん菓子

 1970(昭和45)年、国鉄(現在のJR)が「ディスカバージャパン」キャンペーンを開始。『an・an』『nonnno』などの女性誌でも旅特集が組まれるようになると、多くの観光客が訪れるようになった萩。
「夏みかん菓子は、もともとは地元の人のお茶菓子や就職先への手土産でしたが、観光客の方の萩土産として一気に全国に知られるようになりました。明治維新を背景にした物語に歴史のロマンを感じると、みなさんが萩名物にしてくださったのです」と語るのは、1858(安政5)年創業の老舗「光國本店」の4代目女将、光圀良子さん。
 初代作右衛門が、夏みかんの皮を砂糖漬けにした「夏乃薫」(現在の「萩乃薫」)を売り出した1880(明治13)年以来、夏みかん菓子ひと筋。なかでも3代目義太郎が1916(大正5)年に考案した「夏蜜柑丸漬」は萩土産の定番。

「直径10センチほどの無傷の実を厳選し、丸のまま鬼皮をカンナで1ミリほど削り、ミノで中身をくりぬきます。その後、丸ごとの皮を2晩水につけてあく抜きをしてから糖蜜で煮込み、白羊羹を流し込んで蓋をして、羊羹が固まったら表面にグラニュー糖をまぶし、半日落ち着かせてでき上がり。5日間かかる全行程はすべて手作業。季節によってはもちろん、ひとつひとつ異なる夏みかんの状態に合わせて加減しながら仕上げています」
 その名の通り、夏みかん丸ごとの迫力はあるが、糖蜜の甘さの中に感じる夏みかんの皮のほろ苦さと白羊羹の上品な甘さの組み合わせは絶妙で、繊細な味わい。「最近は、若い男の子が箱に入っているのが上品だと言って、バレンタインデーのお返しに買ってくださるのも新鮮で、ありがたいことですね」

「3代目の父のときから製法はもちろん、ロゴや包装紙も変えず、商品も増やすことなくやってきました。夏みかんは私の人生そのもの。今は息子が5代目を継いでくれていますので、今後のことは任せています」

光國本店

萩市熊谷町41
0838-22-0239
「夏蜜柑丸漬」¥1,458、「萩乃薫」は実型の琥珀かん「松陰の里」との詰め合わせで¥1,296、「夏みかんマーマレード」¥1,026。
https://www.mitsukuni-honten.com/

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