会津のものづくり文化を未来へ 漆器工場をリノベーションして時代を繋ぐ
「会津っぽ」―。この地に生きる人々の正義感の強さ、一徹さ、頑固さを表す言葉です。酷暑の夏に、豪雪に閉ざされる冬―。厳しい環境だからこそ、会津っぽは育まれたのかもしれません。その“ぶれない心”の持ち主が、数百年もの間、大切に紡ぎ続けてきたものたち。会津木綿、会津本郷焼、会津塗、それに、会津絵ろうそく……。この、個性豊かな逸品たちに今、世界の目が注がれています。
会津のものづくり文化に手軽に出会える施設
「もともとは漆器業の会社が、旧本社・工場をリノベーションして開業。オシャレな、会津のものづくり文化の“ハブ”として、注目されています」
旅の案内人・山崎さんが紹介するのは、2022年11月にオープンした「ヒューマンハブ天寧寺倉庫」(HHT)。
広い建物内には、会津塗や会津木綿など伝統産業の品々や地域食材を扱う「ストア」のほか、「カフェ」「シェア工房」「コワーキングスペース」、さらに大判のポスターやTシャツなどの印刷もできる「プリントラボ」なども併設。人と時代を繋ぐ、会津の新たなハブになっている。
ストアでは伝統的会津塗はもちろん、新時代のアウトドア用漆器や篭バッグ、さらに、はらっぱの会津木綿を山崎さんがデザインした、YAMMAの服や小物も購入できる。
ヒューマンハブ天寧寺倉庫
山崎ナナ | やまさきなな
08年、アパレルブランド「YAMMA」を設立。15年、閉鎖が決まった会津木綿工場「原山織物工場」の存続に立ち上がり、事業継承。「株式会社はらっぱ」代表取締役に。ニューヨーク在住。昨年、東京に「YAMMA神楽坂」をオープン。https://yamma.jp
案内人 山崎ナナ(はらっぱ代表/デザイナー)
取材・文 仲本剛
撮影 須藤明子
会津への翼
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