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歌舞伎俳優・獅童が教える[東京vs.大阪]至極のラーメン

歌舞伎俳優・獅童が教える[東京vs.大阪]至極のラーメン

LIFE STYLE KABUKI

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公演で日本全国、さらには海外も回る歌舞伎俳優たち。彼らの舌を魅了した「祝着至極」のメニューを毎月2皿ずつ、紹介します。第三回は〝ラーメン愛〟あふれるこの人。

私、ラーメンに目がないんです。あれは私がまだ、中学生のころ。ラーメン店が舞台となった、伊丹十三監督の映画『タンポポ』を拝見しまして。あの映画の影響は大きかったです。ラーメンという食べ物を、ものすごく意識するようになりましたし、自分でラーメンを作るようにもなりました。
合羽橋で業務用の寸胴鍋を買ってきて、6〜7時間かけてスープから作ります。自宅には製麺機も用意してあるので麺も自作です。先日は、なんとなくコッテリしたものを食べたくなって、いわゆる「二郎系ラーメン」を作りました。これが、なかなかの出来栄えで、事務所のスタッフにも大好評でした。
ラーメンと一口に言っても、種類は様々。だから、よく聞かれるんです、「とくに好きなのは、何系ですか?」と。私の答えは「ラーメンなら全部好き」(笑)。全国各地に、それぞれ特徴を持ったご当地ラーメンがありますよね。北海道なら味噌ラーメン、福岡ならやっぱり、とんこつスープの博多ラーメン、佐野にも佐野ラーメンがありますし……。行く先々で、ご当地の味を楽しませていただいております。

そして今回、私が皆さまにまずオススメしたいのが、歌舞伎座の目と鼻の先にある銀座の老舗店「共楽」。こちらで私がよくいただくのはワンタンメン。夏場は冷やし中華、それに加えて、スープがわりにワンタンも、ダブルでいただきます。共楽も、やっぱり中学生のころから通っています。こちらの、昔ながらのシンプルな中華そば、本当、大好きなんです。

もう一つ、ご紹介したいのも、やっぱりラーメン店。大阪・西長堀にある名店「カドヤ食堂 総本店」です。こちらはテレビの取材でお邪魔して以来、かれこれ10年ほどは通っています。お店のご主人が、本当にラーメン愛のある方で、ものすごくラーメンを研究されているのがわかる、とにかく、感動的に美味しいラーメン店です。
オススメはつけそば。美味しくて、かつ、美しい麺を、舌でも目でも味わっていただきたいと思います。

<profile>
なかむら・しどう◎72年、東京生まれ。祖父は昭和の名女方・三世中村時蔵、父はその三男・三喜雄。叔父は映画俳優・萬屋錦之介。81年、歌舞伎座『妹背山婦女庭訓』で二代目中村獅童を名乗り初舞台。近年はバーチャルシンガー・初音ミクと共演する「超歌舞伎」など歌舞伎の裾野を広げる挑戦も続けている。

共楽

東京都中央区銀座2-10-11

tel:03-3541-7686

営業時間:11:00~18:00(土は16:00まで)

定休日:日曜、祝日

獅童さんがラーメンに「興味を持った中学時代から通っている」と話すように、銀座で長く愛される中華そばの名店。獅童さんがよく食しているのはワンタンメン(1,000円)。夏場は夏季限定の冷やし中華(900円)と麺なしのワンタン(800円)を「ダブルで注文する」と笑う。そのほか、昔ながらの味を守る定番・中華そば(800円)も美味。

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カドヤ食堂 総本店

大阪府大阪市西区新町4-16-13

tel:06-6535-3633

営業時間:11:00~17:00

定休日:火曜

先月、創業21周年を迎えた大阪の超有名店。「麺の美味しさを味わってほしい」と話す獅童さんイチオシのメニューが、つけそば(並盛り1,250円)。ツヤツヤと光輝く麺は、見た目もとにかく美しい。シンプルながら、絶対的な完成度を誇る中華そば(1,080円)も絶品。

https://twitter.com/kadoyaramen
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[私の二枚看板]第三回/案内人・中村獅童

絵:矢野元晴